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Carlos Die Banyuls / Shutterstock

モバイルやeコマースのテクノロジーにより、小売業界は店舗中心の戦略からいつでもどこでも消費者とつながれる方向に進んだ。次は自動運転車や3Dプリンターが小売業界に大きな影響を与えそうだが、2016年に最も受け入れられそうなのはバーチャル・リアリティ(VR)だ。

VRの現状は、iPhoneが2007年に発表される前の状況と似ている。Oculus Rift(オキュラス・リフト)が発売され、今年はソニーのPlayStation VRや台湾のスマホメーカーHTCが開発したViveの発売が控えている。VRを真っ先に取り入れるのはゲーマーたちだろうが、YouTubeの360度動画のような臨場感あふれる映像が幅広い層の興味を引くようになるはずだ。

一方、小売業界では現在、実店舗とオンラインの融合が進んでいる。オンライン大手のアマゾンが初の実店舗を始めたり、アメリカの有名百貨店、ノードストロームがPinterestで最もピンされているアイテムを店舗内で展示したりしている。ウォルマートが今後2年でeコマースに20億ドル(約2,420億円)を投じると発表するなど、実店舗から始まった小売店がeコマースに多額の投資を行っている。オンラインとオフラインの世界の融合という、VRの導入に当たって理想的な地盤が整いつつあるのだ。

だからこそ、2016年は小売業界がVRを実験的に取り入れる年になるはずだ。多くのeコマースビジネスは、今ようやくモバイル対応のウェブサイトを設置し始めているという段階であり、VRの導入はまだ先のことになりそうだが、様々な企業が既に実験を行っている。

例えばラグジュアリー系ファッションブランドのThe Lineは、すでにサムスンのGear VRを実験的に導入し、3Dのビデオ・テクノロジーにより世界中のどこにいてもマンハッタンにある実店舗の中を見て回れるようにしている。VR開発会社Sixenseとマーケティング・エージェンシーのSapientNitroはロイター通信の取材の中で、買い物客が靴を“手に取って”アバターで試着し、購入する様子を披露している。

アウディは世界初のフルデジタル・ショールームであるアウディ・シティを立ち上げ、Gear VRを装着することで同社のデザイナーとともに自動車を体験できるようにした。ボルボもマイクロソフトのHoloLensと協力して実際の自動車が1台もないVRショールームを作り、デジタル・ゴーグルを装着することで、ホログラムのように映し出された自動車の周りを歩いたりフィーチャーを体験したりできるようにしている。

VRは買い物や遊びや生き方も変えるだろう。自分自身の3Dモデルがお目当ての洋服を着て、歩いたり走ったりサーフィンをしたりスキーをしたりする姿を見られるようになるかもしれない。子供に自転車を買う前に子供の3Dアバターがその自転車を実際に乗るところを見て、サイズや色などを検討できるようになるかもしれない。

VRを通して物理的な世界と仮想の世界の融合が進めば、これまで以上に魅力的なショッピング体験ができるはずだ。

編集=上田裕資

 

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