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金融の善悪、不穏について執筆

モルガン・スタンレー ジェームス・ゴーマンCEO(Photo by Andrew Burton/Getty Images)

米国第2位の専業投資銀行モルガン・スタンレーは、債権トレーディングとインベストメント・バンキング事業の不振を大幅な給与削減で補い、2015年第4四半期に9億800万ドル(約1,079億円)の利益を計上した。

第4四半期の売上は前年同期比で横ばいの77億ドル(約9,146億円)、1株当たり利益(EPS)は39セントだった。巨額の訴訟和解費用の計上により16億ドルの赤字を計上した前年同期から急回復を果たしたことになる。売上、EPSともにアナリストの予想をわずかに上回っており、急激なコスト削減が奏功した格好だ。

金融危機以来、モルガン・スタンレーの手綱を引き締めてきたジェームス・ゴーマンCEOは、手間のかかるトレーディング事業の、とりわけ債券トレーディングから極力撤退する一方で、利益率の高いウェルス・マネジメント事業に進出し売上源の多様化を図りつつ、インベストメント・バンキング事業の品質を維持していくという戦略を推進している。ゴーマンは報酬にも厳しい姿勢を打ち出しており、事業成績によっては給与を調整する方針を明らかにしている。

第4四半期の給与総額は27%減少し、37億ドル(約4,395億円)となった。また、給与以外の費用については、主に裁判費用がなくなったことをうけて、半額以下の26億ドルとなった。給与総額には、主に低調な債券トレーディング部門で行われた解雇にかかる退職金1億5,500万ドルが含まれる。

ゴーマンは1月19日付で発表されたプレスリリースで「第4四半期に当社では債券トレーディング部門について、資本・費用の両面で意義深いリストラを行った。2016年、当社では引き続き、全社レベルでの経費節減を行い、株主還元を高めていく」と述べている。

第4四半期にはウェルス・マネジメント業務で堅実な前進が見られた。利益率は20%以上を維持しており、売上高が37億ドルへと微減したにもかかわらず、利益額は4%増の7億6,800万ドルとなった。インベストメント・マネジメント部門は、売上が5%増の6億2,100万ドルとなったことを受け黒字に転換した。とはいえ利益額1億2,300万ドルのほとんどは、1億4,500万ドルの賞与引当の繰り戻しによるものだ。

インベストメント・バンキング事業は、アドバイザリー・フィーは微増したものの、株式公開の低調をうけて引受料収入は横ばいの3億5,200万ドルに留まった。株式のセールス&トレーディングは、商品や地域に拘わらず活況で、売上は前年同期比12.5%増の18億ドルとなった。

モルガン・スタンレーのアキレス腱はまたしても、債券部門であった。債券・商品・通貨部門の売上は5億5,000万ドル、前年比で低下しているだけでなく、JPモルガンやシティグループといったライバルとの比較でも大きく見劣りしている。新規発行債券の引受料も25%減少し3億4,600万ドルとなった。債券部門からは近年、大物トレーダーの離職が相次いでいるが、ゴーマンは今後もリストラを行う意向だ。

専業投資銀行にとって、金融危機後の規制環境にあっては、当然に債券が泣き所となってしまっている。それでも、ウェルス・マネジメント事業への進出が、同社の収益を安定化させ、資本と流動性を高めていることが見て取れる。

銀行全体の業績に関してゴーマンは、「2015年前半の業績は好調だったが、後半は市場環境の悪化による取引の鈍化の影響を受けた」と語っている。

モルガン・スタンレーの株式は、時間外取引で3%高の26ドル84セントで取引されている。同社株式は2016年年初からは18%下落、過去12か月では25%下落している。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

 

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