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金融市場に関する記事を中心に執筆

Photo by Justin Sullivan/Getty Images

2014年のアンダーアーマーのテレビCMシリーズでは、高名なバレリーナ、ミスティ・コープランドがステージ上で1人、プリエをし、ピルエットを回っている。

オリンピック・スキー選手のリンゼイ・ボンはバーベルを肩の上まで担ぎ上げ、USAサッカーチームのスター選手、ケリー・オハラは巧みにサッカーのドリル練習をこなしている。これらはすべて、強さと忍耐の象徴だ。頭のてっぺんから足の先まで、アンダーアーマーのギアを着用した彼らは啓蒙的な決め台詞を繰り返す。「なりたい自分になる」。

アンダーアーマーでは1,500万ドルを投じて、”女性にもっと力を”キャンペーンを展開してきた。レディーズのビジネスをメンズより大きくしようとする試みの一環である。2005年に全体の20%だったレディーズの売上は、2015年には30%にまで増加している。

ところが、この成長が疑問視されはじめている。モルガン・スタンレーのアナリスト、Jay Soleは、「成長につながると思われたこのマーケティング・キャンペーンが、実は逆効果になっているかもしれません」と語っている。「成長を続けるためには、アンダーアーマーはレディーズアパレルで傑出しなければなりません」

モルガン・スタンレーが引用しているSportsScanデータによると、近年の女性向けアパレル市場は、男性向け市場を上回るペースで成長を続けていたが、過去6か月に関しては成長率に停滞がみられている。この停滞自体はおそらく短期的なものだろうが、アンダーアーマーが女性向け製品の人気が続くことを前提に業績予測を立てていることを考えれば、たしかに心配ではある。モルガン・スタンレーは、女性向けアパレル市場のこの先5年間の年平均成長率を23%と見込んでいる。

2015年後半、アンダーアーマーは女性向けアパレル市場でシェアも落としている。他方で大きくシェアを上げたのはナイキだ。

「自分たちで始めた消費者との対話を、品揃えにしっかりといかすことができていたのかどうか」と、同社のCEO、ケビン・プランク(Kevin Plank)氏は4月のアナリスト向け業績発表で省みている。「なりたい自分になる」キャンペーンを受けて、女性向けアパレル商品を見直す必要があることを示唆しているのだ。「店舗レベルではまだ、最高のアンダーアーマーを提供できているとは思わない。我々はもっとうまくできるはずだ」

スポーツウェア業界の暴れん坊、アンダーアーマーは、もう何年も2桁成長を記録し続けており、世界第2位のスポーツメーカーになろうとしている。こうした明るい見通しに投資家の評価は高く、同社株式は現在、51倍という株価収益率を誇っている。こうした状況は、成長への高い期待値によるものである。アンダーアーマーはこれまで、売上高に関してはウォールストリートの期待を裏切ったことがないが、もし裏切るようなことになれば、投資意欲に水を差すことは自明である。

モルガン・スタンレーによると、レディーズアパレルの売上に加えて、もう1つ懸念されるのがフットウェア事業である。2013年初頭から、アンダーアーマーのランニングシューズの価格は20%低下した。これは業界平均の4%を大きく上回る。Jay Soleは、「これは非常に心配な傾向です。アンダーアーマーの成功物語に根本的な変化が起きていることを示しているのかもしれません」と語っている。というのも、これまでの同社は概して、価格ではなく、イノベーションやブランド力で勝負してきていたからである。モルガン・スタンレーでは、同様の傾向がバスケットボール・シューズにも見られるとしている。

こうした懸念を受けて、モルガン・スタンレーは同社株式の投資判断をダウングレード、ターゲットプライスを103ドルから62ドルへと引き下げた。1月8日(金)の終値は75ドル、11日(月)には9%下落して68ドルで取引されている。同社の株価は過去3か月で32%低下している。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

 

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