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金融の善悪、不穏について執筆

Suzanne Tucker / Shutterstock

エレクトロニック・ダンス・ミュージック(EDM)のフェスティバルやイベントを企画、運営するSFXエンターテイメントが、破産を検討している。

経営破綻を回避するため資金注入も相次いで行われたが、SFXの創業者兼CEOのロバート・シラーマンと出資者らの話し合いは不調に終わり、破産する可能性が高まった。ナスダックに上場した2013年10月当時の時価総額は10億ドル(約1,200億円)を超えた同社だが、破産により一連の混乱に終止符を打つことになりそうだ。

シラーマンは1990年代に12億ドル(約1,400億円)を費やし、各地の音楽プロモーターらを買収。それを2000年に全米最大級のラジオ局Clear Channelに33億ドル(約3,900億円)で売却した。

数年後、Clear ChannelがLive Nationに買収された際、ライブイベント事業がLive Nationの中核となった。2000年代、シラーマンはCKXを設立し、エルビス・プレスリーの邸宅を含む敷地グレイスランドの運営権や人気テレビ番組『アメリカン・アイドル』の版権を得たが、CKXは2011年にプライベート・エクイティ大手アポロ・グローバル・マネジメントに売却された。

SFXエンターテイメントは2013年の株式公開で2億6,000万ドル(約300億円)を調達し、それによりシラーマンは、アメリカ、ヨーロッパ、ラテンアメリカでのEDMフェスティバルを買収する資金を得た。その中には、TomorrowLand、Mysteryland、Life In Color、Electric Zoo、Sensation等の大型イベントが含まれている。SFXは事業拡大のため、約3億ドル(約350億円)の社債も発行した。

SFXは2015年までに売上高が3億5,000万ドル(約400億円)を超える巨大企業に成長したが、利益を生むことが出来ず、損失は膨らむ一方だった。2015年2月、シラーマンはSFX株を買い戻して非公開化する動きを進めた。

しかし、同年6月にSFXはセカンダリーオファリング(大株主の既存の証券の売却)を開始し、シラーマンはSFXの非上場化に失敗。共同経営者を見つけることも出来ず、8月にはこの動きを断念した。

当時、シラーマンはフォーブスの取材に応じ、SFX社が混乱を極めた経緯を尋ねられると「この電話で私が犯した過ちについて語っている暇はない」と答え、「SFXが破産する可能性はゼロパーセントだ」と語っていた。

数週間後の9月17日、SFXの破綻を防ぐため、シラーマンは更に3,000万ドル(約35億円)の資金を注入した。その1か月後、彼は1億7,500万ドル(約205億円)での買収案をSFXに持ち掛けたが、1,500万ドル(約18億円)の不足金の支払いを完遂することができず、この買収案を撤回した。 

12月31日、GoldenTree Asset Managementは、SFXの回転信用枠をCalayst Fund Limited Partnership Vに譲渡し、差し控え合意に至った。1月7日、SFXは米証券取引委員会に提出した書類で、FTI Consultingを企業再生顧問に迎え、破産を検討していることを明かした。

シラーマンにとって、EDM業界に進出し混乱を極めた挙句の破産は辛い結末だ。彼はSFXの発行済株式を約40%所有している。破産の可能性についてSFXは「企業再編を促進するため、当社は連邦破産法における保護の適用を考慮している」と述べている。

編集 = 上田裕資

 

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