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2015.12.30

進化する不朽の名作 フェラーリ「488スパイダー」の魅力

[右]ディーター・クネヒテル フェラーリ極東エリア統括マネージング・ディレクター、[左]リノ・デパオリ フェラーリ・ジャパン&コリア代表取締役社長/photograph by Junji Hirose

マラネッロのV8オープン史上、最も官能的なエグゾーストノートを奏でるプランシングホース(跳ね馬)が生まれた。488スパイダー、その旋律の魅力をふたりのフェラーリ極東幹部が語った。

ディーター・クネヒテル :フェラーリ極東エリア統括マネージング・ディレクター
リノ・デパオリ:フェラーリ・ジャパン&コリア代表取締役社長


デパオリ:フェラーリが初めてミッドシップV8モデルの308GTSを発表したのは1977年です。40年を経て今回、ジャパンプレミアで不朽の名作のDNAを受け継ぐスパイダーの最新モデルをご紹介できることをうれしく思っています。

クネヒテル:2015年3月にデビューした488GTB(クーペ)のオープンスタイル、それが488スパイダーです。日本で人気のモデルですが、実は極東エリアの他国では天候などの関係でクーペの方が好まれているんです。

デパオリ:オープンエアーで感じるV8ターボの加速は情熱的です。解放感にあふれたシーサイドを走れば、その歓びを五感で堪能できるでしょう。でも、スパイダーのドライバーは助手席に人を乗せて運転することが多いので、東京のようにたくさん人がいる場所でも楽しめるのです。フェラーリを運転すれば注目されますからね(笑)。

クネヒテル:そんな488スパイダーは先代の458スパイダーの性能数値をあらゆる面で改善しました。クーペと同型のV8ターボエンジンは、ターボラグを排除したことでとても切れ味が鋭くなっています。2,000rpm時のアクセル・レスポンス・タイムは、わずか0.8秒です。

デパオリ:フェラーリのDNA、それはエンジンであり、サウンドです。フェラーリのオーナーはエグゾーストのサウンドにこだわる方が多いんです。スパイダーは今回、エンジンを伝統のNA(自然吸気)からターボに替えたのですが、サウンドの魅力を損なわないために、エンジン回転の増減によって変化するハーモニクスと調音を徹底的に解析しました。その成果をオープントップを開けてダイレクトに聞き、楽しんでいただきたいと思っています。

クネヒテル:フェラーリ・ターボが奏でるサウンドは官能的です。もちろん、どのフェラーリも個性的で、ひとつとして同じものはありません。創業者のエンツォ・フェラーリが言っていたように、「どのフェラーリのサウンドが好きか」という問いの答えは「次のフェラーリ」なのです。

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[左上]新開発のSSC2はチャレンジングなルートでも比類なきドライビング・プレジャーをもたらす。
[右上]0-100km/h加速は3.0秒とオープン史上最速。コーナー脱出時の加速度は従来比12%向上した。
[左下]彫刻のような美しさ。エアロダイナミクスの性能向上にも惜しみない労力が注がれている。
[右下]最高出力670cv、最大トルク760Nm/3,000rpmを発揮する3.9リッター直噴V8ツインターボ。

型式:V8-90°ターボ、ドライサンプ
総排気量:3,902cc18K
全長:4,568mm
全幅:1,952mm
全高:1,211mm
最高速度:325km/h以上
車体価格:3,450万円
問い合わせ:フェラーリ・ジャパン 
http://www.ferrari.com/ja_jp/

文=北島英之

この記事は 「Forbes JAPAN No.19 2016年2月号(2015/12/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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