荒川 優真
京都紋付 取締役
カルチャープレナーとは、文化起業家のこと。英語のCultural Entrepreneursを元にした造語であり、新しい概念だ。
今、日本各地では、職人によって受け継がれてきた伝統技術や工芸品などが、担い手不足や時代の変化に伴い、姿を消しつつある。しかしその一方で、我々が失いかけている文化資産の価値に気づき、自分たちの手で今に息づかせたいと立ち上がる若い起業家たちも多く現れている。
そんな「カルチャープレナー」たちの存在は、異業種との結合やニーズの掘り起こしによって、今後大きなムーブメントになるかもしれない。それは、これからの日本経済にとっても、新しい可能性となるはずだ。
13名のアドバイザリーボードの協力を得て、これからの成長が期待できる45歳以下の文化起業家を中心に候補者を推薦してもらい、編集部の審査によって30組を選出した。
京都紋付 取締役
AIエンジニア/SF作家/起業家
丹青社 B-OWND室 室長/プロデューサー
茶道総合資料館副館長/茶美会 主宰
NEWBASIC CMO/CEO|goyemon
稲とアガベ 代表取締役
KINTO チーフブランディングオフィサー
鮨職人
SG Groupファウンダー
TRADMAN’S BONSAI代表/松葉屋社長
京・甘納豆処 斗六屋4代目/SHUKA代表
GENDA 代表取締役社長
水玄京 代表取締役社長
concon代表取締役社長/TOKYO LOLLIPOP
ICHIGO 代表取締役 CEO
KASASAGI 代表取締役社長
ユートピアアグリカルチャー代表取締役・北海道コンフェクトグループ代表取締役
Cabi共同創業者
ヤマップ 代表取締役 CEO
大工アーティスト、菱田工務店CEO
ふくべ鍛冶 4代目
LOOOF 代表取締役
京藍染師
ヘラルボニー Co-CEO
九谷焼作家
tefutefu クリエイティブディレクター
コラレアルチザンジャパン代表取締役/建築家
AREA35、SAFEHOUSE、WHISTLER代表取締役
NEO阿波踊り集団「寶船 」リーダー/アプチーズ 代表取締役
水星 代表取締役CEO/Creative Director
BIOTOPE CEO / Chief Strategic Designer / 一般社団法人カルチャープレナーコレクティブズ理事
ゼブラアンドカンパニー 共同創業者 代表取締役
Culturepreneur Collectives 代表
TeaRoom 代表取締役/CEO
放送作家・脚本家
箔一ブランドマネージャー、Shokolatt CEO
スマイルズ代表、The Chain Museum 代表取締役
中川政七商店 代表取締役会長/PARaDE 代表取締役社長
ポートランド日本庭園財団・ジャパンインスティテュート 上席執行役員
エンタメ社会学者
建築家
漫画編集者
福光屋 専務取締役
選出にあたり、次のどちらかに当てはまることを条件とする。
①文化資産や地域資源を掘り起こし、新しい価値やエコシステムをつくろうとしている人たち
②日本文化の価値を世界に伝えていくことができる新たなリーダーシップをもつ人たち
評価軸としては、以下をポイントとした。
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CULTURE-PRENEURS AWARD 2024
・文化庁
・公益社団法人 関西経済連合会
・京都商工会議所
・一般社団法人 京都経済同友会
10月5日(土)
上七軒歌舞練場
(〒602-8381 京都市上京区今出川通七本松西入真盛町742)
16:00-受付、ウェルカムドリンク17:00-開会 授賞式、トークセッション 懇親会(飲食あり)19:45閉会
※時間・内容は変更になる可能性があります
京都紋付 取締役
100年以上続く京都の伝統工芸「京黒紋付染」の老舗・京都紋付は伝統技術を応用し、洋服の染め替えサービスを展開するリウェアブランド「K」を2020年9月にスタート。荒川は2014年に5代目として入社し、21年に取締役に就任。社長を務める父と二人三脚で、アパレルブランドや百貨店など200社以上と提携し、洋服のリユース・アップサイクルを広げている。強みは、独自開発した染料と定着技術を使う「深黒(しんくろ)」加工だ。天然繊維であればどんな生地でも真っ黒に染め上げる。現在はゲオホールディングスが運営するセカンドストリートや、H&M、フェリシモなどとも提携し、全国各地から集まってくる「大切な一着」を月2,000点以上、蘇らせている。今後は、アメリカや中国、オランダなどの海外パートナー企業とも提携し、海外でも伝統技術を使った洋服のアップサイクルサービスの展開に挑む。
AIエンジニア/SF作家/起業家
東大松尾研からボストン・コンサルティング・グループを経て、M-1グランプリにロボット漫才で出場を果たし、LLM(大規模言語モデル)を応用実装する企業などを連続起業。さらにロイヤル・カレッジ・オブ・アートで生成AIも駆使し準修士を取得後、執筆したSF小説で新人賞受賞。まさに博覧強記、「令和のダヴィンチ」だ。2024年には東京都知事選にも出馬、従来の「ブロードキャスティング型」の代わりにAIを駆使して有権者の声を聞き取る「ブロードリスニング型」の選挙戦を展開、得票数15万票で第5位となる。「デジタル民主主義」の実装を目指したその試みには台湾の元デジタル大臣オードリー・タンも熱視線を送った。アートコレクティブ「実験東京」では、「生成時計」「幻視影絵」などのAIアートを発表。政治でもアートでも文学でも実験的精神を発揮し続け、「技術と物語の両輪で今より良い未来の実現」を目指す。
丹青社 B-OWND室 室長/プロデューサー
学生時代から、画家である父のアート作品の販売を開始。2017年にART BASE PROJECTを設立すると、アート工芸市場にマーケティングやブランディングの知見を投入し、これまでに150を超える展覧会を企画・開催してきた。その後、商業や文化施設などの空間づくりを得意とする丹青社の事業開発センターにも所属。19年にアートと工芸作品のプラットフォーム「B-OWND」をリリース。プロデューサーとして指揮をとり、ブロックチェーンを取り入れた真贋証明書や流通経路などの情報を管理することで作品の信頼性を損なわずに直接売買できるサービスを展開している。日本の工芸品市場が縮小するなか、工芸品の文化的価値を高めるため「点」ではなく「面」での評価を提唱。文化とビジネスの両輪でアーティストをバックアップし、日本の「工芸」をより多くの線で世界とつないでいく。
茶道総合資料館副館長/茶美会 主宰
京都に続く茶道裏千家の分家である伊住家に次男として生まれる。茶名は宗禮(そうれい)。同志社大学を卒業後、京都造形芸術大学大学院にて茶の湯釜の研究で博士(学術)を取得。故父・伊住政和氏が「茶の湯を通して新しい美に出合う会」として始めた企画「茶美会(さびえ)」を継承し、2023年より主宰としてその活動を再開。現代アーティストとコラボする新しい茶のかたちを追求している。 茶人であると同時に茶道史や工芸史の研究者としても知られ、茶道総合資料館副館長、裏千家学園茶道専門学校副校長などを兼務。理事長を務めるNPO法人「和の学校」では、京都の伝統産業に生じる端材・余材を子どもたちの創造的な教育活動の素材として再活用するプロジェクト「つくものらぼ」を実施するなど、展開する活動は多岐にわたり、いずれにおいても形式の伝達に留まらない茶の湯文化の発展を目指している。
NEWBASIC CMO/CEO|goyemon
プロダクトデザインユニット「goyemon」を展開する大西 藍(写真右)と武内賢太(写真左)は、高校時代からの同級生。雪駄や提灯などの伝統的な製品の機能美はそのままに、現代のライフスタイルに合わせて、利便性や快適さをアップデートした製品を生み出している。「unda-雲駄-」は、雪駄にハイテクスニーカーにも用いられるエアソールを取り入れ履き心地を向上させたもので、クラウドファンディング開始1週間で2,160万円以上の応援購入額を集めた。また、開発に4年をかけた「ANCOH-庵光-」は提灯にソーラーLEDライトを組み合わせた製品で、提灯のもともとの最大の機能である蛇腹を広げたり畳んだりすることでスイッチがオンオフする。プロダクトを入り口に、「雪駄が何かも知らない若い世代」が日本の伝統製品に触れるきっかけを創出するのが goyemonの目指すものづくりだ。
稲とアガベ 代表取締役
秋田県の「新政酒造」で日本酒づくりの修行に励んだ後、2021年に「稲とアガベ」を設立し、秋田県男鹿市でクラフトサケの醸造を始めた。日本酒の製造技術をベースに、米を磨くのではなく、自然栽培で育てた米を原料とすることで、土地の風土を生かした独自の酒を作り出している。ホップやブドウ、リンゴなどを副原料に使用した「CRAFT series」や、もろみを濾さずにつくる「DOBUROKU series」を製造しており、販売直後に売り切れるほどの人気を博している。また、岡住は「クラフトサケブリュワリー協会」の会長を務め、クラフトサケの知名度を高める活動にも尽力している。さらに、男鹿市を日本酒特区とする「男鹿酒シティ構想」を提唱し、地域文化の育成や雇用創出にも貢献。目標は、酒文化の新たな発展を通じて地域を豊かにし、男鹿の未来を築くことだ。
KINTO チーフブランディングオフィサー
「使い心地と佇まいが調和するものづくり」を掲げ、生活道具を手がけるKINTOの商品は、ヨーロッパや北米、アジア各国で熱い支持を得ている。23年末にはニューヨークに旗艦店をオープン。グループ全体の海外売り上げは、13年から10年で10倍以上増加。その比率はグループ全体の半数近くを占めるまで成長した。KINTO USA/EUのCEOであり、チーフブランディングオフィサーを務める小出は、品質だけでなく、日本人の丁寧な暮らしやおもてなしなどの精神性が海外でも評価されていると語る。ブランドで重視するのは「自分たちが素敵だと思えるものを深いファンに届けること」。23年春には、本社のある滋賀県彦根市に「KINTO FARM」を開設し、社員が育てたハーブや花を商品企画に生かす試みを始めた。「スモールグローバルブランド」を目指し、持続的な成長を追求している。
鮨職人
上智大学文学部ドイツ文学科在学中に鮨職人を志し、養成スクール「東京すしアカデミー」での学びを経て、四ツ谷の「すし匠」、「西麻布 拓」、銀座の「鮨 あらい」などの名店で修業を重ねる。古くは「男性より手の温度が高いから握った鮨の味が落ちる」などの偏見から女性が嫌厭され、今も男性が圧倒的多数を占める鮨職人の世界で研鑽を積み、2015年の開店当初から勤めた「鮨 あらい」では、個室の客前で鮨を握る店の2番手として活躍。行き届いた独自のもてなしが業界内外にファンをつくり、23年、麻布十番に「鮨 めい乃」を構えて独立した。名店で培った高い技術を下支えにして考え抜かれた鮨と、ワーキングホリデー制度を利用した渡仏経験で磨きをかけたソムリエとしての知識を生かして選んだワイン、2つの高度なペアリングが評判となり、瞬く間に予約の取れない人気店に。鮨業界の稀有な存在として新風を吹かせている。
SG Groupファウンダー
国際的なカクテルのアワードで多数の受賞歴をもつバーテンダー後閑信吾は、日本、上海、NY、香港、マドリッドで複数のバーの企画、運営をし、世界をわたり歩く。店のスタイル、酒の楽しみ方など、各地で得たインスピレーションを日本にもち込むと同時に、海外に日本の酒文化を発信。近年は、九州にある蔵元3社とバーテンダー向けの焼酎「The SG Shochu」を、沖縄の瑞穂酒造と新しいリキュール「KOKUTO DE LEQUIO」を開発。日本は「酒文化の歴史が長く、ほかの国には真似のできないほど酒造りのレベルが高い」という後閑は、バーという「場」や知名度を活かして、「料理やお茶と比べるとまだまだ小さい」バーシーンを活性化させていく。
TRADMAN’S BONSAI代表/松葉屋社長
日本の伝統文化、盆栽。小島鉄平率いる「TRADMAN'S BONSAI」は、盆栽をストリートカルチャーや現代アートと融合させ、これまでにない見せ方で新たな価値を提示する。例えば、明かりを落とした部屋に盆栽をおき、ライティングで際立たせる。必要に応じて飾り台も創作する。そのモダンな演出は、日本文化を好む海外エグゼクティブの心を掴み、近年はディオール、リモワ、ポルシェといったハイブランドからも引き合いが絶えない。2023年には盆栽師・小島鉄平として京都の両足院で展覧会を開催。同年12月には東京・南青山にギャラリー併設のサロン・松葉屋茶寮を、翌4月には丸の内に旗艦店をオープン。瓦や墓石、江戸文字など伝統文化を紡ぐ面々とコラボレーションし、面としての盆栽カルチャーの底上げに取り組んでいる。
京・甘納豆処 斗六屋4代目/SHUKA代表
1926年に京都で曽祖母が創業した斗六屋(とうろくや)4代目の近藤は、大胆なリブランディングを敢行。22年から「種を愉しむ」をコンセプトに、自然由来の種を厳選し、甘納豆と同じ古来の食品保存技術・砂糖漬けでつくられた種の菓子ブランド「SHUKA」を始めた。甘納豆に馴染みのない人も食べやすいように、通常よりも甘さが控えめで独特な歯応えがあるのが特徴。和菓子離れが進む現代に菓子の新ジャンルを投じた。工房の隣には、イートインスペースのある店舗もオープンした。一番人気はチョコレートの原料となるカカオ豆をココナッツシュガーで砂糖漬けした SHUKAカカオ。製造過程でできるシロップと地元の豆乳でつくられた植物性のジェラートも好評だ。海外展開にも意欲的で、スローフード発祥の地とされるイタリアでの出店を目指している。
GENDA 代表取締役社長
「2040年、世界一のエンタメ企業に」をビジョンに掲げる「GENDA(ジェンダ)」は、2023年、創業5年で東証グロース市場に上場した。外資証券出身の代表取締役社長、申真衣は、ゲームセンター、カラオケの周辺領域を連続的にM&Aすることで非連続な成長を目指す。エンタメビジネスは上流がIPホルダーによる寡占状態にあり、「IPの収益化」を担うソシャゲやゲーセン、物販などの専門企業が下流でIPの継続的成長を支える。GENDAは「場」をプラットフォーム化しながら、映画配給や景品の企画販売の企業もグループに迎え、エンタメビジネスの垂直と水平をにらむ。次なるターゲットは米国。プリクラの楽しみ方や「推し活」の盛り上がりなど、「日本人は遊び方が上手で、その裾野が広い」と話す申は、アミューズメント施設を再価値化しながら加速する。
水玄京 代表取締役社長
高校〜大学の7年に及ぶロンドンでの学生生活終了後、会社員としての経験を培うためBofA証券へ入社。幼少期から抱いた神社仏閣を修繕する宮大工への憧れを発端に、縮小していく日本の伝統工芸市場も自らの手で活性化させたいとの思いを温めて、2022年3月に「水玄京」を設立。京都を中心に全国各地の職人と契約を結び、オンラインストアでの販売事業では京焼・清水焼、備前焼、江戸切子、尾張七宝、輪島塗など93種、2,414のプロダクトを世界に向けて販売している。SNSでの販促活動を支援するコンサルティング事業では、職人の手による製品の製造工程を詳しく紹介した動画を水玄京の公式アカウントで公開。反響は大きく、すでに再生回数100万回を超えるものも多数ある。日本の伝統工芸の技術や製品はそのままに、SNSなど現代の機知を活用してより広く世界に発信し、その市場を支えようと試みている。
concon代表取締役社長/TOKYO LOLLIPOP
群馬県高崎市生まれのZ世代起業家。2023年9月にconconを設立し、11月に“小さくてかわいいものが詰まったTOKYO”という海外視点から日本のポップカルチャーを解釈したインバウンド向けブランド「TOKYO LOLLIPOP」をリリース。キャンディのようなカラフルなリングは、インドのガラス工場と自ら契約して廃材を再利用した。インバウンドにこだわるのは、16歳で単身インドへ渡った経験が原点だ。今年3月には、地元の張り子だるま工場と協力し、「TOKYO LOLLIPOPだるま」を発表。伝統工芸とポップカルチャーを融合させたこの新しい提案は国内外で人気を博し、イベントやSNSでも注目を集めている。髙橋の目標は、だるまを軸にブランドやアーティストとのコラボを展開し、パリコレにだるまを登場させることだ。
ICHIGO 代表取締役 CEO
新卒入社したリクルートを退職後、2015年に海外向け通販会社「movefast(現:ICHIGO)」を起業。「キットカット」や「ポッキー」など、国内ではすでに認知度の高い菓子メーカーの人気商品を1箱にまとめて定期配送する会員制サブスクボックスサービス「TOKYO TREAT」が米市場で支持され、創業からわずか6年で年商40億円に到達。現在は老舗和菓子メーカーの和菓子や日本茶を詰め込んだ「SAKURACO」や、サンリオ、ジブリ、セーラームーンといった人気キャラクターの雑貨を扱う「YumeTwins」など、菓子にとどまらないさまざまな日本文化のサブスク型ECサービスを世界180カ国に向けて展開している。日本育ち・留学経験なしという経歴ながらも、従業員に海外出身者を積極的に登用することで、海外の消費者が求める「日本らしさ」を的確にとらえてビジネスを成功させている。
KASASAGI 代表取締役社長
塚原龍雲率いるKASASAGIは、高岡銅器(富山)の技術や西陣織の手法など、伝統的な工芸技法を用いたアートや建材などで空間プロデュース事業を手がける。塚原は、高校卒業後、ITスタートアップでの成功を目指して渡米。そこで日本文化の訴求力の高さに気づき、2020年19歳のときに帰国して伝統工芸品のECサイトで起業した。創業から3年間は、工芸品について学び多くの職人と会うために、仲間と共にキャンピングカーで日本を9周したという。そうした経験やつながりを強みに、BtoBの贈答市場などを切り開き、空間プロデュースへと展開。現在は、KASASAGIDO、KASASAGI USの代表も務める。職人に経済的利益と共にものづくりの喜びを提供し、伝統工芸をサステナブルなものにしていくことを目指す。
ユートピアアグリカルチャー代表取締役・北海道コンフェクトグループ代表取締役
長沼真太郎が率いるユートピアアグリカルチャーは放牧酪農や平飼い養鶏などを手掛けるほか、そこで採れた牛乳や卵を使ったお菓子の製造・販売を行う。「とにかくおいしいお菓子をつくることが人生のミッション」と語る長沼が、最高の原材料を突き詰めた結果だ。札幌の老舗洋菓子店「きのとや」の創業家の長男として生まれた長沼は、2013年にチーズタルト専門店のBAKEを創業。急成長を遂げた後も、「おいしいお菓子」への探求は留まることを知らず、行き着いた答えは「最高の原材料を自らで生み出す」ための牧場経営だった。17年にBAKEをバイアウトした後、長年温めていた酪農への想いを胸に米国シリコンバレーへ。そこで環境を再生させながら農業や畜産業を営む「リジェネレイティブ・アグリカルチャー(環境再生型農業)」と出合い、現在は最高のお菓子づくりと共に、山地酪農の実証実験にも本格的に踏み出している。
Cabi共同創業者
2022年に創業した「Cabi(キャビ)」は、現在米国の約500の小売店で展開されている日本の発酵調味料ブランド。共同創業者の野村美紀と宮城エリが出会ったのは今から約10年前。ともに米国を拠点とし、漠然と「日本と海外をつなぐ架け橋になりたい」という思いを抱いていた。「日本食レストランの人気に反して家庭に普及していない」ところに着目して、調味料をテーマに決め、日本各地の蔵にプレゼン。現在、3つの蔵と提携し、醤油、味噌、米酢をアレンジした3品を展開する。目指すのは、日本の調味料ブランドといえばCabiという存在になること。これまでは食への意識が高いハイエンド層向けに展開してきたが、今後は、ホールフーズマーケットのような“プレミアムマス層”をターゲットに、販路と認知の拡大に取り組んでいく。
ヤマップ 代表取締役 CEO
「ITやスマホを活用して、自然や風土の豊かさを再発見する仕組みをつくりたい」と、2013年にヤマップを創業。登山地図GPSアプリ「YAMAP」をリリースした。最大の特徴は、オフラインでも現在地が一目でわかり、遭難や道迷い防止に役立つこと。24年7月時点のダウンロード数は450万を超え、国内最大の登山・アウトドアプラットフォームとなった。21年にはユーザー同士の間で使われていたリアクションの「いいね」を、山の保全活動への支援に価値転換する「DOMO(ドーモ)」がスタート。22年には登山の新たな楽しみ方を提案する「山歩(さんぽ)」プロジェクトや、山・川・街・海を含めた大地の広がりを視覚的に表現した3D地図「流域地図」の開発などを始動。テクノロジーを活用しながら人と自然をつなぐ機会をさまざまなかたちで発信している。目指すのは、人と地球環境がともに豊かになる世界の実現。
大工アーティスト、菱田工務店CEO
菱田は、日本の匠の技とベルギー古民家をかけ合わせた独自の世界観で国内外から注目を集める「大工アーティスト」だ。「機能を超えた美しさは、手仕事の魅せ方を考慮して設計することで生まれる。それができるのは、技術をもつ大工だからこそ」。信念に基づき、設計から施工までを自ら手がける。長野県坂城町出身で、19歳で大工の世界に飛び込み、2005年に地元で菱田工務店を創業。07年からはドイツで鳥居建設プロジェクトに参加し、国境を越えた活動を始めた。ベルギーの古民家に魅了され、素材の持ち味を活かした建築を展開。今秋、ベルギーでの建築プロジェクトに着工予定。菱田のインスタグラムは開設から1年足らずでフォロワー21万人超。インターン募集には120人もの応募があり、海外からも注目を集めている。
ふくべ鍛冶 4代目
石川県能登町にある老舗鍛冶店「ふくべ鍛冶」4代目店主。大学卒業後は能登町役場にUターン就職し、中小企業支援などの業務を担当していたが、2015年に母の病死を受け傾いた家業を立て直すべく職人の世界へ。最短でも15年かかるといわれる専門技術の習得に励みつつ、コロナ禍のキャンプ需要にヒットした万能ナイフ「能登マキリ」や、切れなくなった包丁を箱に入れて送ると美しく磨がれて返送される包丁研ぎの宅配サービス「ポチスパ」など、独自のアイデアでヒットを生み事業拡大に成功。鍛冶屋として生き残ることで、漁師や海女が昔から愛用する専門性の高い道具も製造・修理が可能な砦となっている。年始の能登半島地震以降は、火災跡から掘り出された輪島塗職人の道具の優先的な修復活動や、ポチスパの受注管理システムを生かした伝統産業品の修理プラットフォーム「リペアクラウド」の立ち上げなど、さらに多方面で地域支援を行っている。
LOOOF 代表取締役
一棟貸しの古民家宿「るうふ」を展開するLOOOF。代表取締役の保要佳江は、最初の宿を構えた山梨県笛吹市芦川町の出身。国際協力を志望して海外に憧れていた頃、「何もないけれど心地よい」地元の魅力に気づき、自らそれを守ろうと立ち上がった。2014年の創業から約10年で山梨、千葉に13施設まで増やし、2025年には30軒超を目指す。宿ができ、人流ができる。しかし保要は「里山文化こそ価値の源泉」と語り、無理に観光地化することなく、小さな地域経済圏を増やしている。近年は、有休不動産の利活用に悩む行政との提携も始まった。24年7月には、前橋市から相談を受けて3つの敷地・6棟の宿からなる宿場町「赤城宿 akagi-shuku」を開業した。その土地の風土、暮らしが宿る“生活文化財”の利活用を促進し、LOOOFは集落の灯りを増やしていく。
京藍染師
大学卒業後、NYで日本の藍染「ジャパン・ブルー」に出合い藍染作家を志す。野村シルク博物館(愛媛県)での2年間の修業を経て、京都で200年以上続く染色工房「染司よしおか」の5代目当主・吉岡幸雄氏に師事。天然素材による染色技術や歴史を学ぶ過程で、輸入品の安価な化学染料の流入により廃れてしまった地元・京都原種の「京藍」を知り、その復興に取り組む。現在はアーティスト活動を主軸に、2023年には京都にある妙心寺 桂春院で初個展を開催し、掛軸作品「京藍壁観図」を奉納した。今年2月のミラノファッションウィークではイタリアのラグジュアリーレザーブランドValextraとのコラボ作品を発表。作品制作や有名ブランドとのコラボなど伝統とアートを組み合わせる精力的な活動は「命の色で命をつつむ」というコンセプトのもと、自家栽培の素材を用いて色移りしない本物の「京藍」の次代継承に捧げている。
ヘラルボニー Co-CEO
「異彩を、放て。」をミッションに掲げる福祉実験カンパニー「ヘラルボニー」の共同代表であるふたりは、1991年岩手県生まれの双子の兄弟。重度の知的障害を伴う自閉症のある4歳上の兄・翔太が生み出した謎の言葉を社名に、2018年に設立。障害がある作家が制作するアート作品をデータ化してIP事業を展開し、IPはオリジナル商品のデザインに使うほか、一般企業にも提供。多くの企業とのコラボを実現させている。23年には経産大臣のフランス視察に同行する日本のスタートアップ10社に選ばれた。今年はLVMHが主催するスタートアップ支援プログラム「LVMH Innovation Award 2024」ファイナリスト18社にも選出され、従業員体験とD&Iのカテゴリ賞を受賞。フランスに現地法人も立ち上げた。「HERALBONY Art Prize 2024」も始動させ、作家の発掘や作品のキュレーションにも注力する。
九谷焼作家
現代アートの名門として知られるロンドン大学ゴールドスミスカレッジでは映像やインスタレーションといった無形の現代アートを学ぶも、卒業後は一転して九谷焼という日本の「有形」伝統工芸に惹かれ、産地・石川県に移住。石川県立九谷焼技術研修所で2年間焼き物を学ぶ。九谷焼の絵柄として多用されてきた動植物や神獣の絵柄、古典図案などを現代的にアレンジして落とし込んだ色鮮やかで躍動感あふれる個性的な作風にコラボの依頼が相次ぎ、これまでに宿泊施設の内装や高級醸造酒のラベル、スイーツのパッケージデザインなど、多方面へ九谷焼の絵付け技術を活用。日本の美感、工芸、アートの間を交信することを目標に行う果敢な創作活動が評価され、作品は国内で開催する個展では毎回抽選販売のうえ完売。イギリス・台湾・韓国・スイスなど海外のギャラリーでも作品が展示されるなどグローバルな人気を博している。
tefutefu クリエイティブディレクター
日本を代表するモデル、森星。およそ10年前から活動を始めた彼女は、2021年秋、日本の文化や伝統を発信するプロジェクト「tefutefu」を立ち上げた。きっかけは、「海外のクリエイターが日本に関心を向けてくれても、自分の口で何も説明できなかった」悔しさと、ブランドのものづくりや哲学に触れ、「日本の美学とは」と立ち返ったこと。それから3年、本人曰く「勉強しながらアウトプットしている」期間に、日本各地にある工房や職人、生産者たちと対話を重ね、サイトやSNSで発信してきた。それは、ファッションデザイナーだった祖母、森英恵というルーツを辿ることとも重なった。23年には初のプロダクトとして漆器「SUITŌ(スイトー)」を制作、販売。それを用いたイベントのプロデュースなども手掛けている。
コラレアルチザンジャパン代表取締役/建築家
2009 年より中国・上海にある世界的建築家・馬清運氏の事務所でチーフデザイナーを務める。11年に上海で独立。日本での拠点を求めた際、専門技術をもつ職人があふれる土地柄や、門戸を広く継承されてきた井波彫刻の文化に魅了され、井波へ移住。16年に宿泊施設「Bed and Craft」をオープンする。宿泊者は、井波彫刻家のほか漆芸家や陶芸家など地元職人の指導のもと、木彫刻や漆器などの工芸品を自分でつくることができる体験サービスが受けられる「職人に弟子入りできる宿」として話題を呼ぶ。17年には、伝統工芸の技術を生かした商品開発や施設運営を企画から請け負うデザイン事務所「コラレアルチザンジャパン」を設立。生活必需品を固定の職人に注文する「お抱え職人」の文化の再興をコンセプトに、人々の生活のなかで生きる「手仕事」の価値を再構築している。
AREA35、SAFEHOUSE、WHISTLER代表取締役
6歳で移住したオーストラリアでヴァイオリン奏者として頭角を現す。数々のコンクールで優勝し、ソリストとして国際的に活躍していた2003年、自身が主催したクラシック×ゲーム音楽の演奏会に手応えを感じ、翌04年にゲーム・アニメのサウンドトラック演奏に特化した世界初のプロオーケストラ「エミネンス交響楽団」を創設。アクションRPG「ディアブロⅢ」や長編アニメ映画「涼宮ハルヒの消失」など世界的人気を誇る日本作品で演奏を担当した。10年に音楽制作会社WHISTLERを設立し、多くのゲームタイトルの音響を手がけたほか、今秋配信予定のNetflixアニメ「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」ではアニメーションプロデューサーと音響監督を務めた。幼少期から鍛え抜いたクラシック音楽の技術と国内外の豊かな人脈を駆使して、日本のコンテンツを世界へ発信している。
NEO阿波踊り集団「寶船 」リーダー/アプチーズ 代表取締役
幼少期より、徳島出身の父・米澤曜が東京・三鷹で発足させた阿波踊り連「寶船(たからぶね)」に所属し、踊りと鳴物(楽器)の技術を磨く。徳島県発祥の伝統芸能である阿波踊りを世界のエンターテインメントにするべく、2012年に寶船の運営元として一般社団法人アプチーズ・エンタープライズを設立。パフォーマー全員が赤い衣装をまとい、派手なメイクを施して激しく踊るという独自のスタイルで観客を沸かせ、アメリカ横断ツアーやインド・フランス・NY・香港など多数の海外公演も敢行。世界最大規模の日本見本市「Japan Expo Paris」では7年連続で大トリも務めるなど、現在までに世界25カ国で活動を展開してきた。今年4月には、マネジメント会社「アプチーズ」を設立し、第三者割当増資による資金調達を実施。スタートアップとしてさらなる事業拡大を見据えている。
水星 代表取締役CEO/Creative Director
東京大学在学中に起業し、富良野のペンション運営から母娘二人三脚で事業をスタートさせる。旅行中のホテル滞在という体験が、寝食を満たすだけではなくその土地や文化を媒介する「メディア」としてのホテル運営を掲げ、ブティックホテル「HOTEL SHE,」(京都・大阪)や、スモールラグジュアリーホテル「香林居」(金沢)など、個性豊かなホテルを次々と企画。2020年にリリースした宿泊予約プラットフォームサービス「CHILLNN」では、各宿泊施設固有の魅力を発信し、加盟する全国約1,000施設の運営もサポートしている。近年は、ホテルに滞在しながら演劇作品の世界に入り込む体験ができる「泊まれる演劇」や、産後ケアリゾート「HOTEL CAFUNE」など、日常生活圏内での選択肢になる「ライフデザインホテル」事業にも着手し、既存の観光ビジネスの枠を超えた事業展開でホテルという存在を革新し続けている。
BIOTOPE CEO / Chief Strategic Designer / 一般社団法人カルチャープレナーコレクティブズ理事
BIOTOPE代表、多摩美術大学 特任准教授。東京大学法学部卒業、イリノイ工科大学デザイン研究科修了。P&G社にてレノア等のヒット商品のマーケティングを担当後、ジレットのブランドマネージャーを務める。その後ソニー社クリエイティブセンターにて全社の新規事業創出プログラム立上げ。退社後、戦略デザインファーム・BIOTOPEを創業。著書『理念経営2.0』(ダイヤモンド社)他多数。
ゼブラアンドカンパニー 共同創業者 代表取締役
早稲田大学商学部を卒業。メディア企業やデジタルエージェンシー、メーカーなどを経て、スタートアップ企業の事業の立ち上げにかかわる。2021年、田淵良敬・陶山祐司と共にゼブラアンドカンパニーを創業。社会課題の解決と自立的経営の両立を目指す「ゼブラ」の考えに共鳴し、マーケティング、ブランディング、ストーリーテリングを用いて、ゼブラ企業の事業成長に伴走している。
Culturepreneur Collectives 代表
編集者。1992年、130年続く豆腐屋の孫として生まれる。DeNA、Forbes JAPANを経て、共創型戦略デザインファーム・BIOTOPEへ。企業や行政と共にビジョンや理念を社内外に巡らせるナラティブデザインやブランドデザインのプロジェクトを手掛ける。2023年、文化と経済の良循環を生み出すためのコレクティブ・一般社団法人Culturepreneur Collectivesを設立し、代表を務める。
TeaRoom 代表取締役/CEO
1997年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。9歳で茶道裏千家に入門し、岩本宗涼という茶名をもつ。2018年、21歳のときにTeaRoomを創業。静岡県に日本茶工場を承継し、第一次産業へも参入。お茶の生産から販売までを一貫して担う垂直統合モデルで、国内外で新たな需要創造を展開している。中川政七商店の社外取締役。一般社団法人文化資本研究所を立ち上げ、代表理事を務める。
放送作家・脚本家
1964年、熊本県生まれ。「料理の鉄人」など斬新なテレビ番組を数多く企画。脚本を担当した映画『おくりびと』で第32回日本アカデミー賞最優秀脚本賞、第81回 米アカデミー賞外国語映画賞を獲得。執筆活動のほか、地域・企業のプロジェクトアドバイザー、2025年大阪・関西万博のテーマ事業プロデューサーなどを務める。「くまモン」の生みの親。京都芸術大学副学長。「下鴨茶寮」主人。
箔一ブランドマネージャー、Shokolatt CEO
1992年から現代美術家コラボレーターとして東京、NYを拠点に世界的に活動。新潟・燕三条のチタンテーブルウェアブランド「SUSgallery」や、富山高岡鋳物のライフスタイルブランド「NAGAE+」などを立ち上げ、2019年に慶應義塾大学経済研究所インバウンド観光研究センターインバウンド観光総研顧問。20年から石川県金沢市を拠点とする箔一のブランドマネージャーを務める。
スマイルズ代表、The Chain Museum 代表取締役
1962年、東京都生まれ。「Soup Stock Tokyo」のほか、ネクタイブランド「giraffe」、ニューサイクルコモンズ「PASS THE BATON」などを展開。「生活価値の拡充」を企業理念に掲げ、既成概念や業界の枠にとらわれず、現代の新しい生活の在り方を提案している。小さくてユニークなミュージアム「The Chain Museum」、アーティストと出会えるプラットフォーム「ArtSticker」なども運営する。
中川政七商店 代表取締役会長/PARaDE 代表取締役社長
1974年生まれ。京都大学法学部卒業後、富士通を経て2002年に中川政七商店に入社。08年に十三代社長に就任、18年より会長を務める。業界初の工芸をベースにしたSPA業態を確立し、「日本の工芸を元気にする!」というビジョンのもと、業界特化型の経営コンサルティング事業や教育事業を開始。企業やブランドのビジョン・思想を「ライフスタンス®」と提唱し、新しい経済の形を生み出している。
ポートランド日本庭園財団・ジャパンインスティテュート 上席執行役員
2008年に在日アメリカ合衆国大使館・文化担当官補佐に着任。歴代大使の文化アドバイザーを務め、大使館における文化戦略の立案運営を担当したのち、18年から現職。世界的庭園財団の国内・国際プロジェクトを統括しながら、次世代に向けた日本文化・芸術のグローバルな発信・展開を牽引する。文化政策領域にて修士課程修了後、現在はケンブリッジ大学のPhDプログラムにも在籍中。
エンタメ社会学者
東京大学大学院修了。Re entertainment代表取締役。リクルート、DeNA、デロイトトーマツ コンサルティングを経て、バンダイナムコスタジオ、ブシロードで、メディアミックスIPプロジェクトの推進やアニメ・ゲーム・スポーツの海外展開を担当。事業家と研究者、作家、政策アドバイザー(経産省コンテンツIPプロジェクト主査)を兼任しながら、コンテンツの海外展開をライフワークとする。
建築家
1975年生まれ。昭和女子大学卒業後、青木淳建築計画事務所を経て、2002年永山祐子建築設計設立。代表作に「LOUIS VUITTON 大丸京都店」「JINS PARK」「豊島横尾館」「ドバイ国際博覧会日本館」「東急歌舞伎町タワー」など。大阪関西万博において2つのパビリオン(2025)、東京駅前常盤橋プロジェクト「TOKYO TORCH」(2027)などの計画が進行中。武蔵野美術大学客員教授。
漫画編集者
1982年生まれ。東京都出身。2006年、集英社に入社。「月刊少年ジャンプ」「ジャンプSQ.」の編集者を歴任し、現在はミックスグリーン代表取締役・「少年ジャンプ+」編集部員。担当作品は『SPYXFAMILY』『チェンソーマン』『ダンダダン』など。過去の立ち上げ作品は『青の祓魔師』『ルックバック』ほか多数。アニメ・舞台・イベントの監修やプロデュース、アプリ「World Maker」企画なども手がける。
福光屋 専務取締役
1978年、福光屋の14代目として石川県金沢市に生まれる。不動産開発会社、アパレルメーカーなどの勤務を経て、2010年福光屋に入社。同年取締役に就任し、12年より現職。金沢青年会議所理事長、NPO法人文化都市金沢構想の理事長も務める。22年にラグジュアリーに特化した日本酒ブランド「F1625」を立ち上げたほか、活躍する人たちが金沢に集まるイベント「C2 KANAZAWA」主宰。