CONTRIBUTOR

伊藤 隆敏

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政策研究大学院大学教授、コロンビア大学教授。一橋大学経済学部卒業、ハーバード大学経済学博士(Ph.D取得)。1991年一橋大学教授、2002年~14年東京大学教授。近著に『日本財政「最後の選択」』(日本経済新聞出版社刊)。

  • 「大学無償化」で、世界で戦える人材はつくれるのか

    文部科学省の天下り問題、加計学園問題、大学教育無償化……相次ぐ行政・政治・大学をめぐる問題が覆い隠す、実践すべき「真の大学改革」とは。今年は例年になく大学や教育関係の話題が多い。昨年暮れから報道されていた文部科学省の違法天下り(再就職)斡旋疑惑から、1月に文科省前川喜平事 ...

  • インフレ目標達成に「財政政策」は必要か?

    成長率でみても、失業率でみても、日本のマクロ経済状況は悪くない。ただ、インフレ率0%近くで、2%のインフレ目標達成は見えてこない。内閣府が3月8日発表した2016年10〜12月期における成長率(対前期比、年率換算)の第2次速報(改定値)は、1.2%。16年を通じて、1.2〜2.2%のプラス成長を継続 ...

  • 東芝に見る「海外進出における企業統治」の教訓

    “東芝の不適切会計”とその後の混乱は必ずしも対岸の火事ではない。日本企業は、海外進出における企業統治という観点から考える必要がある。東芝がアメリカ原子力事業関連の巨額損失を抱えて苦境に立っている。東芝は2015年、不正会計(数年にわたるPC事業や半導体事業における利益水増発覚 ...

  • 下落続く人民元、通貨当局「試練の1年」に

    中国の外貨準備高減少はすぐに通貨危機に結びつくわけではないが、資本流出とその結果である人民元の下落の動向がどうなるか、中国の通貨当局にとって難しい局面を迎えそうだ。中国の2016年末の外貨準備高が3兆105億ドルと、前年末に比べて3300億ドルの減少となった。外貨準備高がピークであった14年6月の4 ...

  • 「ジェンダーギャップ指数」世界111位、日本の問題と解決策は

    世界経済フォーラムが毎年発表する「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」。男女平等ランキングで過去最低の111位だった日本。その構造的な問題と解決策とは。世界経済フォーラム(WEF)による2016年版「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」が10月25日に発表された。政治、経済、教育、健康の4分野の ...

  • 日本のフィンテック投資額「対米比0.5%」が暗示するもの

    日本のフィンテック投資額の対アメリカ比はわずか0.5%ー。「ガラパゴス化」しないためにも、日本企業の世界展開に期待したい。「フィンテック」が日本の金融業界に革命をもたらそうとしている。フィンテックの定義は、ここでは「金融サービス(FINance)にテクノロジー(TECHnology)の力を利用するこ ...

  • 米初代財務長官と日本最初の大蔵大臣をつなぐミュージカル

    ブロードウェイ・ミュージカル「Hamilton(ハミルトン)」が異例の大ヒット作として注目を集めている。ミュージカルの世界における世界最高峰「トニー賞」2016年版においても16部門でノミネート、11部門で受賞した。本作品は、米国初代財務長官を務めたアレクサンダー・ハミルトンの生涯を描いた物語。ミュ ...

  • タクシー料金改定申請を「ウーバー」から考える

    ウーバー登場などで産業構造の変革が進むタクシー業界。東京での運賃改定申請について「需給一致の仕組み」から考える。主要タクシー会社は、東京でのタクシー料金の改定を提案している。改定の主要な部分は「初乗り料金を現行“2kmまで730円”から“1.059kmまで410円 ...

  • 「羽田ーアメリカ直航便」はなぜ遅れてきたのか

    今年2月に行われた日米航空交渉で、昼間時間帯(午前6時〜午後11時)の羽田-アメリカ直行便の開設が合意され、10月のダイヤ改正から実現の予定だ。羽田-アメリカ直行便はこれまで、深夜早朝時間帯(午後11時〜午前6時)に限って8往復(日本の航空会社4、アメリカの航空会社4)が認められていた。これが今後は ...

  • マイナス金利の影響ー伊藤隆敏の「数字で読み解く日本経済」

    日本銀行が発表したマイナス金利は日本経済にどのような影響を及ぼすのか。スイスとの違いを見るに、日本のほうが景気押し上げ効果を持ちそうだ。日本銀行は1月29日、新たな金融緩和手段として、政策金利をマイナス0.1%にすることを発表した。マイナス金利は民間銀行が今後、新規に日銀に預ける超過準備に適用される ...

  • スマホ実質ゼロ円導入は正しい戦略なのか?[数字で読み解く日本経済]

    家計の負担が大きいと始まった携帯電話通信費の引き下げ議論。総務省内タスクフォースから出た「取りまとめ」の論点を検討する。携帯電話通信費の引き下げ議論は2015年9月11日の経済財政諮問会議から始まった。会議の最後に安倍晋三総理大臣が「携帯料金等の家計負担の軽減は大きな課題である。高市総務大臣には、そ ...

  • アベノミクスのブレーンが指摘する、GPIF運用の欠点[数字で読み解く日本経済]

    GPIFの2015年7~9月期の8兆円の運用赤字が大きな話題を呼んだ。しかし、短期的視点での批判ではなく長期平均収益率を見るべきだ。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は11月30日、2015年7~9月期の運用実績益がマイナス7兆8,899億円に上ることを発表した。GPIFは、厚生年金、国民年 ...

  • 1.8〜出生率引き上げのための5つの提言〜[数字で読み解く日本経済]

    「1.8」「矢」(手段)ではなく「的」(目標)—として評判の悪い「新三本の矢」。その中では新鮮味のある「出生率」の目標について考える。安倍晋三総理は9月24日、(1)「希望を生み出す強い経済」、(2)「夢をつむぐ子育て支援」、(3)「安心につながる社会保障」の「新三本の矢」を発表した。新 ...