ドロップボックスを成功に導いた“秘密兵器”

ドロップボックスに“優しいイメージ”を与えた共同創業者のフェルドーシ。<br />技術ではなく、ユーザー重視が成功の秘訣だ。(フォーブスジャパン10月号)

すっかり、保存・同期サービスの代名詞になった「ドロップボックス」。クラウドサービスが普及したいまも、勝ち続ける秘密は“ヒト”にあった。

2008年、外出先でも簡単にファイルを保存・同期できるサービス「ドロップボックス」が登場すると、誰もがその便利さと技術にうなったものだ。

ところがいまや、アップルやグーグルなどの大手も当たり前のようにクラウドサービスを展開するようになった。ドロップボックスの成長を不安視する人は少なくない。

だが同社には、“秘密兵器”がある。共同創業者のアラシュ・フェルドーシ(29)だ。マサチューセッツ工科大(MIT)を中退した技術者でありながら、彼はユーザー感覚で製品をつくることができる。

そもそも、ドロップボックスが人気サービスになった“秘密”は、彼にあるのかもしれない。同社のサイトは、親しみやすいイラストやアニメでサービスの使い方を解説しているが、これはフェルドーシの発案だという。複雑なサービスであればあるほど、一般のユーザーにもわかりやすく伝える工夫が必要だと考えたのだ。

フェルドーシは、ユーザーエクスペリエンス(UX)をさらに高めることが、ライバルに勝つためのカギだと考えている。

「“同期”するだけのサービスでは、利用者には物足りないはずです。もっと使いたくなるようなUXをつくらなくては」


ミゲル・ヘルフト = 文 ティモシー・アーチボルド = 写真 フォーブス ジャパン編集部 = 翻訳

この記事は 「Forbes JAPAN No.15 2015年10月号(2015/08/25 発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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