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2015.10.13 12:59

モニカ・ルインスキーが提唱する「ネットいじめ撲滅」運動

かつて、大統領との不倫問題で世界的に注目を浴びることになったモニカ・ルインスキー氏。<br />(Photo by Alberto E. Rodriguez/WireImage)

かつて、大統領との不倫問題で世界的に注目を浴びることになったモニカ・ルインスキー氏。<br />(Photo by Alberto E. Rodriguez/WireImage)



2014年のフォーブスの「アンダー 30サミット」で、モニカ・ルインスキーは長年の沈黙を破り、初めて聴衆の前でスピーチを行った。そしてそのスピーチは瞬く間にネット上で広がった。かつて、ビル・クリントン元大統領の不倫相手として世界中の注目を浴びた彼女は、その場で、1990年代後半に自身が経験したオンライン・ハラスメントを闘うため、人々の意識を変えることが必要だと訴えた。

「私はインターネットを通じ、個人的名誉が世界規模で、完全に破壊された最初の人物となりました」と、現在42歳のルインスキーは1,500人を前に語った。その10日後、ルインスキーはTEDから出演依頼を受けた。彼女が自身の屈辱に関して語った動画の再生回数は600万回に達しようとしている。

10月6日、アンダー 30サミットに再登場したルインスキーは、昨年よりずっと落ち着いた様子で彼女の人生を変えたこの1年について、フォーブス編集長Randall Laneと語り合った。
「私は人々と一緒に困難に取り組んできました」と、彼女は自分が取り組んできた、いじめ撲滅運動について話した。

Laneはルインスキーが昨年のサミットで沈黙を破るまで、20年もの間人目を避けて生きてきたことにふれた。
「私は長い間、人の目を避けて生きてきました。でも、それで問題が解決する訳ではありませんでした。人前でスピーチを行うことで、心の傷を癒し、前進する強さを持つことができました」

現在、彼女は慈善活動家のマッケンジー・ベゾスが設立した、いじめ撲滅に取り組む団体Bystander Revolutionで活動している。さらに、ボーダフォンと共同で世界11ヵ国のティーンエイジャーの参加を仰ぐ、いじめ反対の絵文字の開発にも取り組んでいる。

「『自分は一人じゃないんだ』と思わせるための活動が出来て、とても光栄です」と、ルインスキーは話す。オンライン・ハラスメントを経験した人にとって、ルインスキーは頼れる存在だ。元五輪選手でトランスジェンダーを告白したケイトリン・ジェンナーもその一人。彼女はルインスキーのTEDトークを観て癒やされたという。
「その話を聞いて、私はとても感動しました」とルインスキーは言う。

たとえ年月が過ぎたとは言え、元大統領との不倫スキャンダルの屈辱は消え去りはしない。
「精神的トラウマは、風邪のようには治りません。いじめや、ネットいじめ、嫌がらせなどで苦しんでいる人に私が言えることは、黙って苦しまないでということです。何とか生きていけます」

ルインスキーは自身でいじめ撲滅団体を設立するアイデアも持っている。しかし、今のところは、彼女と意見が合致する非営利団体や企業との取り組みに満足している。
「この先、どんなことが起こるのか楽しみです。私は自分のつらい過去を、意味のあるものにしたいのです」とルインスキーは語った。

文=クレア・オコナー( Forbes)/ 編集=上田裕資

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