オンライン証券大手TD Ameritradeのリポートによると、今年9月、個人投資家らは株を買い越した。「引き続き厳しい市場環境下で、投資家らは市場全体から見ると小幅な値動きの株を繰り返し物色し、実に賢く対処しています」とTD Ameritradeのマネージング・ディレクターを務めるNicole Sherrodは言う。投資家が買った銘柄の中には、配当利回りの高いベライゾンやシェブロン、エクソンモービルなどがある。
投資家らはまた、今が有名銘柄を買う好機だと見たようだ。「市場が下落傾向にある際は、銘柄に関係なくすべての株価が下がります。投資家はこれを好みの銘柄を買うチャンスと見る傾向があります」とSherrod。
例えば、アップル株は直近の四半期でiPhoneの売上が市場予測を下回ったことから株価が一時的に落ち着いており、投資家らはこれを買った。また、GoPro社の株価はここ12カ月で半分以下に下落し、買いの対象となった。そしてツイッター株も買い越しが多かった銘柄だ。これには、同社の次期CEOが誰になるのかという不確定要素が影響した(ツイッターは10月5日、ジャック・ドーシーを正式にCEOにすることを発表した)。
「ツイッターは下落傾向にあり、投資家からの厳しい圧力を受けている銘柄です」とSherrodは話す。また彼女は、CEO騒動以外にも、ツイッターが買収のターゲットになっているのではないかという憶測が飛び交っている点を指摘する。
その一報で投資家らは52週高値に達したJCペニーやモトローラといった銘柄を売った。「下げの相場の中でも多くの利益確定が出ています」とSherrodは言う。
米ヤフー株も売り越した。アリババのロックアップ期間終了に伴い同社株を大量に保有する米ヤフーの株価が更に下落したためだ。
9月も市場の乱高下が続いたが、前月と比べ変動幅は縮小した。9月のIMX(Ameritradeの顧客の運用資産を、S&P 500と比較した時のボラティリティの大きさを図る指数)は8月の5.24から下がり、4.76となった。