「リミテッドシリーズは、多くの人が観るまではリミテッドシリーズでしかない」という言葉をご存じだろうか。Netflixの『アドレセンス』は、今週の時点で、同サービスで歴代4番目に視聴された英語ドラマとなっている。その視聴回数は『ダーマー:モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』の1億1500万回に次ぐ1億1400万回で、順位をもう1つ上げるのも時間の問題だ。そして今、どういうわけか、この完結した物語にシーズン2が訪れる可能性が出てきた。
Deadlineによれば、俳優のブラッド・ピットらが設立した制作会社プランBエンターテインメントが、フィリップ・バランティーニ監督と同作品の「次の反復」、つまりシーズン2の見通しについて交渉しているようだ。プランBエンターテインメントの共同社長は、「間口を広げ、そのDNAに忠実であり続け、繰り返しにならないようにしたい」と語っている。
このことから、次回作が再びジェイミーと彼の裁判や服役などに焦点を当てるということではないことが分かる。「次の反復」は間違いなく、何らかの犯罪やトラウマを抱えた別のティーン(「思春期」を意味するその作品名を維持するつもりなら)を追うように聞こえる。思春期の主人公、でも女の子!そんな感じだ。
この作品のシーズン1が俳優陣の力によって形作られたことを忘れてはならない。共同クリエイターで俳優のスティーヴン・グレアム(彼は当然、新シーズンで戻ってくることはないだろう)や、ジェイミー役を演じ、これがドラマ初出演となるオーウェン・クーパーなど、強力な俳優陣の演技がこの番組を支えた。

そしてもちろん、その撮影方法の特殊さも忘れてはならない。シーズン2でも同作品の特徴である「ワンカット撮影」が必要になることは明白だ。シーズン1では、ワンカットで撮影した約1時間のエピソードを4回にわたって放送したが、制作陣はそのごまかしのないワンカット撮影を実現するために、あらゆるテクニックを駆使した。それを実現するためには、膨大な量の演出、脚本、演技のすべてが結集しなければならなかった。彼らに同じことを強要するのは、2度雷に当たれと要求するようなものかもしれない。
つまるところ、このリミテッドシリーズのシーズン数を増やすのは最悪の行動とは言えないということだ。同じコンセプトを保ちつつ、新たなティーンを主人公に据えた犯罪ストーリーを作ることは可能であろうし、たとえ『アドレセンス』が1シーズン限りの作品となったとしても、私たちは受け入れるであろう。だが、プランBエンターテイメントとネットフリックスが手を組む? 彼らはその実現のためにあらゆる手段を講じるだろう。Netflixで歴代4番目、もしくは3番目に多く視聴された作品を制作し、良くも悪くも、そこからさらに多くの成果を得たいと望まない人などいないのだから。