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2025.04.12 09:15

乳酸菌が花粉症の症状改善を妨げていた可能性

Getty Images

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乳酸菌は花粉症の症状を和らげると信じて毎日ヨーグルトを食べていた人はショックかもしれない。約2万人の腸内細菌叢のデータを解析したところ、花粉症の症状が改善した人とそうでない人との腸内細菌の割合が、これまでの常識をくつがえす結果となった。なかでも意外なのが、善玉菌のスター、ビフィズス菌の数だ。

腸内細菌DNA検査サービス「菌ドック」を提供するSheepMedicalは、同サービスで検査を受けた10歳以上90歳未満の日本人1万7477人分のデータを解析したところ、以前は花粉症だったが症状が改善した人と、現在花粉症の症状が出ている人との腸内細菌の状態に明らかな違いがあることを発見した。

驚くべきは、花粉症の症状を緩和すると言われている乳酸菌が多い人たちは改善せず、少ない人たちが改善していたことだ。花粉症の人の乳酸菌保有割合の平均値は1.96パーセント。改善した人の平均値は1.73パーセントだった。0.23パーセントとごくわずかに見えるが、確かに差があった。

また、糖の代謝を助けることで知られるプレボテラ菌の割合も、改善した人はそうでない人よりも約10パーセント少なくなっていた。

反対に、改善した人に多かったのが酪酸菌だ。ぬか漬けや野菜や根菜類の食物繊維を積極的に食べることで酪酸菌が増える。これは、腸内を弱酸性に保ち免疫力を高め、アレルギー性疾患の発症リスクも軽減するという近年注目の善玉菌だ。これが改善した人では約10パーセント多かった。

乳酸菌もプレボテラ菌も、多すぎては逆効果になるということだ。酪酸菌も同じ。重要なのは腸内細菌のバランスのとれた多様性だ。SheepMedicalの腸内細菌研究員は、ヨーグルトや乳酸菌製品を過剰に摂取すると逆に腸内フローラの多様性が損なわれ、花粉症の改善を妨げる可能性があると話す。そのうえで「乳酸菌の摂取量を適度に抑えつつ、食物繊維を豊富に含む野菜や果物、生魚などを積極的に取り入れ、多種多様な菌を腸内に取り込む食生活に改善することが重要」と指摘している。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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