
この扱いはYouTubeが原著作者、著作権の保護よりも、収益を生む投稿者を優先、保護する姿勢の表れだ。こうした横柄な大企業文化は簡単には是正されない。国として積極的に是正に乗り出すことこそが、日本のIP、著作権保護につながるだろう。
これはあくまで推察だが、NPBもこうしたプラットフォーマーの現状対応を認識しているに違いない。アップロードされた違法な映像について、取り下げを申請したとしても、プラットフォーマー側が応じる姿勢は見られない。無許可に公開されている試合映像の取り下げが不可能ならば、配信そのものを禁止する……こうした策に売って出たと考えるのが妥当だろう。プラットフォーマーが著作権違反に真摯に対応してさえいれば、リーグ側が撮影配信に制限をかける必要もない。
Jリーグ、Bリーグ、MLBの対応はいかに
では、プロ野球以外は動画配信について、どのようなポリシーを敷いているのか。
Jリーグは「試合運営管理規定」において
(9) 私的目的以外で、試合(本条においては試合前後に行われる練習、式典等を含む)及び観客等の写真撮影または動画撮影
(10) 私的目的以外で、前号で撮影した写真または動画を複製する行為
(11) 試合の音声または映像の全部または一部を、インターネットその他メディアを通じて配信する行為
と明文化。つまり、私的目的以外のほぼすべてを禁止してきた。
それでも2022年2月に新ガイドラインを発表。
試合観戦を“楽しむ”模様の動画撮影アップロードを推奨し、試合中でも写真については不問とした。ただし、ハーフタイムを除くキックオフから試合終了までピッチ上の試合動画の撮影・配信を禁止している。
Bリーグは、チームや選手にもSNSの活用を推奨しているだけにファンに向けて各種投稿を容認している。特にコート上の試合中動画であっても15秒以内であれば投稿を推奨。現在の時代に即したガイドラインを運用しているとして差し支えないだろう。