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2025.03.27 08:45

プロ野球の試合動画配信禁止令、誰でも中継可能な時代に有効なのか

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「一億総メディア時代」の到来

だが2007年にiPhoneが発表されるとこの構図に徐々に変化が訪れる。初代iPhoneの容量は最大16GBだった。それがiPhone7では256GBとなり、2021年のiPhone13Proでついに1TBに達した。

 画質についても、初代iPhoneの200万画素がiPhone6Sでは1200万画素で4K撮影にも対応。Androidでは2億画素モデルもある。キー局のTVディレクターでも屋外などでは、スマートフォンで軽く撮影、そのままオンエアに載せるなど、そのクオリティはもはやテレビ放送に耐えうる域まで及んでいる。

それでも4Gの時代はスタジアムでなど撮影した動画をSNSで配信しようと試みても、通信が渋滞。画面上に「ぐるぐる」が表示され、いつまで経ってもアップロードが完了しない事象が見られた。モバイル映像中継ソリューションLiveUなどを利用しない限り、ライブ配信の難易度は高かった。

5Gが商用化された2020年においても、5Gエリアはまだまだ都心部のそのまた一部……という黎明期が続いた。しかし現在では主要都市にてスマホで抑えた動画をライブでSNSなどに即アップロード可能な時代となった。スマホさえ手にしていれば、誰でも即座にメディアたり得る「一億総メディア時代」の到来だ。YouTubeなどを検索すると、プロ野球1試合まるまる配信している動画さえ散見され、NPBが重い腰を上げた形だ。

東京五輪のチケット販売時、競技場での動画撮影配信禁止が明文化されていた。しかし5G通信可能な国立競技場での開会式で、5万人もの大観衆が一斉に動画撮影そして配信を始めたと仮定するならば、いったいどこの誰がそれを注意し、阻止することができただろう。コロナ禍により東京五輪は2021年に延期され、無観客開催となったため、こうした事態は未然に防がれたのは、なかなか皮肉だ。

動画配信プラットフォームによる著作権無視が発端に

動画配信禁止についてリーグだけを責めるわけにもいかない。リーグ側が動画配信を禁止する要因は、YouTubeなどプラットフォーマーにも責任がある。

特にYouTubeの著作権保護管理不徹底ぶりは原著作者として看破できない。私自身、仕立てた記事がそのままYouTubeで配信されていた事件を経験している。記事全文がYouTubeに盗用されている事態を読者が指摘してくれた。確認すると、動画そのものはイメージ動画だが、動画上に表示されるテロップは、私の記事を頭からお尻まで全文文字起こししたものだった。

それも1本や2本ではない。20本以上の記事が動画化され、投稿者が収益を得ていた。これにはさすがに「いかがか」と思い、問い合わせメールにて著作権侵害をYouTubeに申請。ところが、「著作権侵害にあたらない」という判断とともに、「今後、このようにむやみな問い合わせについては法的手段に訴える可能性がある」と返信が届いた(文言そのものは、うろ覚えなのでご容赦のほどを)。

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