しかし、トラッキングの要点について、トリニティ・カレッジの研究チームは次のように述べている。「私たちは調査結果をグーグルに伝え、彼らが対応できるよう公表を遅らせました。グーグルからは簡潔な回答がありましたが、法的側面にはコメントしないとだけ述べ(もともと法的コメントを求めたわけでもありません)、誤りや誤解があるかどうかについての指摘もありませんでした。また、ソフトウェアによって保存されるCookieなどを変更する予定があるかどうか尋ねましたが、回答はありませんでした」
We need privacy, not because our actions are questionable, but because your intentions are.
— Naomi Brockwell priv/acc (@naomibrockwell) March 5, 2025
さらにグーグルは筆者に対して、「この報告書は、当社がユーザーに役立つ製品やサービスを提供するうえで支えている、さまざまなグーグル技術やツールを取り上げています」と説明している。こうした懸念が提起されていても、端末内トラッキングを維持する決定が見直される気配はなく、現時点ではこれらの主張に対する具体的な対応は示されていない。
ここに、ChromeにおけるCookie廃止の延期と、同じく物議を醸しているデジタルフィンガープリンティングの復活が重なると、1つのパターンが見えてくる。端末内AI処理が強調されているにもかかわらず、基本方針は変わっていないように思われる。これは、AIプライバシーの推進が実際にはプライバシーよりもマーケティングを重視したものではないかという疑念を抱かせる。
このため、サムスンは「奇妙な宙ぶらりん」の状態に置かれている。iPhoneとの競争を進めつつもAndroidに縛られているため、このようなレガシーなトラッキング問題がすべてのユーザーに波及する。同時に、ハードウェアとコアソフトウェアを一体で管理していないため、Pixelのようにセキュリティ修正やOSアップグレードを迅速に提供することも難しい。
一方、AndroidとiPhoneの間にはセキュリティとプライバシーのギャップが残っているが、AIの面では逆転している。アップルは、iPhone 16と最新のiPad Proの目玉機能であった2025年のApple Intelligenceアップグレードに対する期待に応えられず、混乱に陥っている。そして、それはセキュリティとプライバシーの違いや新しい警告から焦点をそらすことになるだろう。