グーグルにはAndroidに関わる厄介な問題があり、それが今まさに浮き彫りになっている。グーグルとサムスン、そしてAndroidとiPhoneの間で繰り広げられるAI競争によって、Androidの根本に埋もれていた長年の課題が明らかになったのだ。
グーグルはAndroid 15や今後登場予定のAndroid 16によってセキュリティとプライバシーを強化し、iPhoneとの差を縮め続けている。サムスンのユーザーはアップグレードの遅れに苛立ってきたが、その解消もついに間近に迫っており、Android 16はこれまでとは違うものになるようだ。
しかし、依然として厄介なブラックホールが残っている。それは完全に止めることができない隠れたトラッキングで、「端末内プライバシー」をうたう端末を購入するGalaxyやPixelのユーザーにとって特に悪いニュースとなる。
問題は、古い仕組みと新しい仕組みの対立にある。グーグルとサムスンの双方がAIの新機能を宣伝するとき、いずれも端末内でのプライバシー保護を強調している。グーグルの最新の詐欺検出機能は「すべてを端末内で処理することでプライバシーを保護します」とうたい、物議を醸している新しい写真スキャン機能でさえ「端末内で行われ、画像や特定の結果、警告はすべてユーザーだけに知らされます」とされている。
グーグルより先にハイブリッドAIを推進したサムスンはさらに踏み込み、「GalaxyのAIパーソナライゼーションへの取り組みは、サムスン初のAI搭載スマートフォンの発売以来、端末内AIの継続的な革新を通じて、決してプライバシーを犠牲にしません」と宣伝している。
これが新しい流れだ。しかし、ここで古い問題に戻る。今月初めに報じたように、ダブリンのトリニティ・カレッジの研究によれば、プリインストールされたデフォルトアプリを通じて、グーグルが「Cookie、識別子、その他のデータをAndroid端末内に黙って保存し、それによって追跡している」ことが明らかになった。これは「こうしたデータを保存する際に同意は求められず、オプトアウトも存在しない」状態だという。
この追跡には法的な側面があり、研究チームは自身の報告書で初めてその点を明るみに出したと主張している。彼らは、これは「データ規制当局がAndroid端末のユーザーを適切に保護し始めるための警鐘です」と述べている。
グーグルはこの法的な指摘について、「研究者の人々は報告書で自身が法的専門家ではないことを認めており、当社は彼らの法的分析に同意しません。ユーザープライバシーはAndroidにおいて最優先事項であり、当社は適用されるすべてのプライバシー法や規制を順守することにコミットしています」と回答している。