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テクノロジー

2025.03.15 11:00

スマホの「セキュリティとAI」問題、グーグルに翻弄されるサムスン 大きく出遅れたアップル

Shutterstock.com

グーグルが進化し続ける端末内AIアシスタントを打ち出す一方、アップルのアシスタントは時代遅れのように見えている。Macworldは「Siriはアシスタントではなく、恥さらしです」と酷評し、「アップルがその象徴的なアシスタントを優秀にするどころか、競合に見合う水準に引き上げられないのは、クパチーノで責任を取るべきです」と主張している。これはアップルが「Siriで大幅に改善するはずだった新機能が1年(あるいはそれ以上)遅れる」と認めたことを受けたものであり、「SiriがAI競合他社に大きく遅れをとったままという現状を覆えせる理由は見当たりません」とも述べられている。

アップルは、端末内処理と安全なクラウド領域を組み合わせたAIプライバシーを主な差別化要因としてきたが、それをまだ十分に機能させられていないため、グーグル主導のAndroid AIに対抗する、より安全な実用策は存在しない。これは、グーグルやサムスンが端末内AI処理を掲げている一方で、クラウドを介した処理との境界が各社のプライバシーポリシーの背後で依然として曖昧であるという点において、非常に重要だ。

また、アップルのAIアップグレード遅延の背景にはセキュリティ上の問題があると推測されており、これによって競合各社への圧力が和らいでいる可能性がある。9to5Macは「セキュリティが主要な要因である可能性は十分にあります。アップルはプライバシーを製品の大きな差別化要因かつ販売ポイントにしてきたので、悪意あるアプリが個人データにアクセスして取り出せるような脆弱性は、同社にとって大惨事となるでしょう」と指摘している。

こうして現状に至っている。これは比較的新しいニュースではあるが、Android対iPhoneの議論を根本から覆す可能性を秘めている。グーグルのGeminiが着実に進歩する一方で、iPhone側でそれに匹敵するAI代替手段がない期間が長くなれば、機能面の差が際立ち、セキュリティやプライバシーへの注目は薄れる恐れがあるのだ。

それでもなお、端末内で何がどのように、誰によって行われているのかについて、透明性と明確さが求められるという事実に変わりはない。ユーザーの同意やオプトアウトがないままに行われる「サイレント」なAndroidのトラッキングやデジタルフィンガープリンティングは、徹底的に見直されるべきだ。理想をいえば、あらゆる場面でデフォルトのオプトアウトを導入することが望ましいが、それが実現しない限り、「端末内」をうたうマーケティングメッセージにはいずれも「但し書き」が必要になるかもしれない。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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