ロシア軍の偵察ドローン(無人機)が3月1日、前線から130kmほど離れたウクライナ南東部ドニプロペトロウシク州チェルカシケ町にあるウクライナ軍の訓練基地の上空に飛来した。
致命的なことに、基地周辺に偽装ネットは張られていなかった。兵士たちを守る土塁のような防御設備もなく、彼らは白昼歩き回っていた。敵のドローンを撃墜する防空システムも配備されていなかったようだ。ウクライナの戦場記者ユーリー・ブトゥソウは、チェルカシケの基地に滞在したことのある兵士の話として、基地の指揮官たちは普段からこうした状態に「無頓着」だったと伝えている。
ドローンの指示を受けてロシア軍のイスカンデル戦術弾道ミサイルが撃ち込まれた。ブトゥソウによればウクライナの軍人32人が死亡し、およそ100人が負傷した。
3日後、ウクライナ軍は復讐した。
ウクライナ無人システム軍第14独立無人航空機システム連隊の報告によると、同連隊のドローンはウクライナのロシア占領地域の「後方深く」にあるロシア軍の訓練基地に、歩兵が集まっているのを発見した。場所はおそらくウクライナ南部のヘルソン州かザポリージャ州だろう。
ウクライナ軍の「タウリヤ」作戦戦略軍集団の砲兵部隊がそこにクラスター弾を撃ち込んだ。重量300kg弱、最大射程80km前後の精密誘導弾などを発射する米国製の高機動ロケット砲システム(HIMARS)が使用されたようだ。
Помста настигла росіян.
— 14th UAS Regiment (@14reg_army) March 4, 2025
Оператори 14-го окремого полку БпАК виявили та у взаємодії з ОСУВ “Таврія” уразили скупчення ворожої піхоти на одному з тренувальних полігонів росіян в глибокому тилу на окупованих територіях .
В результаті ураження касетними боєприпасами було… pic.twitter.com/nqS4nP2OE5
第14無人航空機システム連隊は、クラスター弾による攻撃で「占領者約30人が排除された」と主張している。
狙われる訓練兵
訓練などのために野外に集まったロシア兵に対する攻撃は、この1年2カ月で少なくとも9回目だ。前回は昨年11月21日ごろにあった。ウクライナ軍のドローンが上空からじっと観察するなか、ザポリージャ州のどこかでロシア兵十数人が民生品のバンからぞろぞろと降りてきた。
HIMARSから発射されたロケット弾1発がロシア兵らのすぐ近くに着弾し、殺傷性の破片を彼らと車両に浴びせた。ドローンの映像によれば、ロシア兵少なくとも5人が死亡するか重傷を負った。