2024年2月以降、ザポリージャ州や東部ドネツク州で行われたほか7回の攻撃では、ロシア軍の訓練兵らが合計で数百人が死亡したとみられる。ロシア側によるウクライナ軍の訓練兵らに対する攻撃はもっと少なく、死傷者もロシア側に比べるとかなり少ない。
ロシア軍は懲りずにウクライナ軍のロケット弾の射程に入る野外に兵士たちを集めているが、彼らをその攻撃から救うものがあるとすれば、それは米国のドナルド・トランプ大統領だろう。
トランプ政権はウクライナへの軍事援助をすべて凍結した。トランプとJ・D・バンス米副大統領は先週、ホワイトハウスで記者団を入れてウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した際、米国のこれまでの援助に対する感謝が不十分だなどとしてゼレンスキーを痛罵していた。援助凍結はこの破滅的な会談を受けた懲罰的な措置だ。
米国の援助が再開しなければ、ウクライナ軍に40基ほど配備されているHIMARSも、信頼できるほかの支援国から代替のロケット弾が供与されない限り、いずれ弾薬が枯渇する。
HIMARSはウクライナ軍の保有する兵器では、訓練場のような無防備な目標に対する深部攻撃に最も適したものだ。だが、数カ月後には弾薬不足のために鳴りを潜めるおそれがある。