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2025.03.04 15:00

ロンドン株式市場で「防衛銘柄」が急騰、英国の軍事支出拡大の見通しで

2025年3月2日、ロンドンで開催された欧州首脳会議期間中、ランカスター・ハウスでゼレンスキー大統領を出迎えたスターマー英首相(Toby Melville - WPA Pool/Getty Images)

2025年3月2日、ロンドンで開催された欧州首脳会議期間中、ランカスター・ハウスでゼレンスキー大統領を出迎えたスターマー英首相(Toby Melville - WPA Pool/Getty Images)

英国の航空宇宙関連と防衛関連企業の株価は、3月3日の市場で急騰した。これは、トランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領との28日の会談が決裂したことを受けて、欧州の軍事支出の増加の見通しが強まったためだ。

原子力潜水艦や戦闘機などの兵器や弾薬などを製造する英国のBAEシステムズの株価は、3日のロンドン市場で14.6%急騰。航空機向けのエンジンや、原子力潜水艦向けの原子炉を製造するロールス・ロイス・ホールディングスの株価も6%急騰した。

また、ロンドン市場のFTSE350種航空宇宙・防衛株指数も8.1%急騰し、過去最高を記録している。

英国のスターマー首相は、2日にゼレンスキー大統領やフランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相らを招いた会合をロンドンで開き、欧州各国がウクライナと協力して戦争を終わらせ、同国をロシアから守っていくための計画を発表した。

「英国は他の国々とともに、地上部隊と航空戦力を提供する用意がある。ヨーロッパは主導的役割を果たさなければならない」とスターマー首相は語っている。

同首相はさらに、ウクライナへの武器供給の拡大を約束し、16億ポンド(約3030億円)を投じて、ウクライナに提供する防空ミサイル5000発以上を購入すると発表した。スターマー首相は、この前日にウクライナへの軍事支援を強化するために、凍結ロシア資産の運用益をもとに22億6000万ポンド(約4270億円)を融資することに合意しており、この武器の提供は、その融資に上乗せされる。

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長も、2日の会合後に記者団に対し、「ヨーロッパは緊急に再武装しなければならない」と述べて、今後の欧州の首脳会議で包括的な計画を発表すると明言した。

スターマー首相は先週、英国の国防費を2027年までに国内総生産(GDP)の2.5%へ引き上げると発表した。これは従来の計画を3年前倒しするもので、現状の2.3%からの増額分は、「国際援助プログラムの予算の削減」によって賄われると説明した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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