もっと近場で「カンヅメ」になりたいという人には、東京のJR高円寺駅近くのカフェバー型多目的スタジオ「高円寺三角地帯」内にある「原稿執筆カフェ」はどうだろう。このごろは職種を限定したコワーキングスペースが人気だが、「原稿執筆カフェ」は、その名のとおり原稿を書くためのスペース。原稿書きにはBGMがあると集中できないという人が多い。なのでここはBGMなし、会話は禁止となっている。なにより有り難い(厳しい?)のは、原稿を書き上げるまで退店ができないシステムだ。利用料金は30分ごとに加算され、閉店時間を過ぎると割増し料金となるので「適度な緊張感」があるとのこと。こちらは明治の文豪ではなく、平成の締め切り間際の深夜の雑誌編集者の気分が味わえるかもしれない。
同じ高円寺三角地帯には、領収書を溜めてしまった人向けに、税理士が店長を務める「経費精算カフェ」もある。わからないことは店長に相談できる。また、店内には経費精算をする人しかいないので「不思議な一体感」があるそうな。働く雰囲気や環境を工夫したコワーキングスーエースに加えて、こうした付加機能のあるスペースも増えてきた。これはとても楽しみであり、有り難い傾向だ。