いわゆるZ世代は、就職に際して仕事の意義やキャリアプランを重視するというが、面接でとくに重きを置くのは評価ではなかった。優秀な人材を確保するために、企業はそれを知っておくべきだ。
学生の就職支援サービスを展開する学情は、スカウト型就職サイト「Re就活キャンパス」(旧「あさがくナビ」)を訪れた2026年度卒業(修了)予定の大学生と大学院生363人を対象に「面接での伝え方」に関するアンケート調査を行った。それによると、面接では本音で話をしたいと考える人が全体のほぼ9割にのぼった。
理由として、「本音を隠したまま入社してしまうとミスマッチが起こり企業にとっても自分にとってもよくない」、「取り繕うと不自然になってしまうので自然体のほうが魅力をアピールしやすい」、「背伸びをしてしまうと実際に入社してから苦労する」、「長所も短所も含めてありのままの自分を評価してほしい」、「この先一緒に働くかもしれない面接官に本音を隠すのは誠意がないと感じる」といった意見が聞かれた。
実際に本音で話せているかを尋ねると、約6割が話せていると答えている。9割が本音で話したいと思っているので、約3割は不本意な面接となっているわけだ。それは、評価を気にして本音が言えないためだ。面接の質問に本音で回答するか、評価を意識した回答をするか、どちらかと尋ねたところ、本音派が5割強あったものの、評価派も4割弱と多かった。
企業側が注目してほしいのはこの点だ。学生たちの本音で話したい理由を見てもわかるとおり、本音を言えない雰囲気は、どちらにも望ましい結果を与えない。それを裏付けているのが、本音で話せると「志望度が上がる」という事実だ。8割以上の学生が、面接で本音が話せると志望度が上がると答えている。
「本音で話せる企業は、それだけ社風や環境が自分の希望と合っていることだと思う」という意見があった。まさに、本音が出せる雰囲気の企業に学生たちは魅力を感じるということだ。