ボーダフォンは、標準的なスマートフォンを使った通信衛星経由のビデオ通話を世界で初めて実施したと述べている。「当社は、欧州で初となる商業用衛星とスマートフォンを直接つなぐブロードバンドサービスを、2025年後半から2026年にかけて提供しようとしている」と同社は発表した。
ボーダフォンの衛星通信サービスは、特別なハードウェアを必要としない点がメリットとされる。「既存の衛星通信サービスと異なり、ユーザーは特別なアンテナや端末、高価な衛星電話を必要とせず、完全なモバイルブロードバンドに接続することができる。ユーザーエクスペリエンスは、4Gや5Gのモバイルネットワークと同等で、普段使用しているスマートフォンを使って、宇宙と地上のネットワークを自動的に切り替えることができる」と同社は述べている。
今回の衛星ネットワークを用いたビデオ通話は、これまでモバイルブロードバンドがカバーできていなかった遠隔地から行われた。この歴史的な通話には、ASTスペースモバイルの通信衛星「ブルーバード」が使われており、両社は、宇宙を利用したブロードバンド接続において、世界初となる音声通話や、10Mbpsを超える4Gダウンロード速度、5G音声通話を実現したという。
「当社のブルーバード衛星を利用した今回の成果は、接続格差をなくし、すべての人をセルラーブロードバンドにアクセスできるようにするという我々の使命の実現に一歩近づくものだ」とASTの創業者で会長兼CEOのアベル・アベランは語った。
ニュースサイトThe Vergeは、テキサス州に本拠を置くASTが、AT&Tやベライゾンと同様のサービスを全米で提供するための契約を結んでおり、欧州に続いて米国でもこの衛星通信サービスを展開する可能性が高いと報じている。
(forbes.com 原文)