そんなときに役立つのが「24時間ルール」だ。感情が高ぶるきっかけとなった出来事や会話に反応する前に、丸一日かけて自分の感情を処理するという限界的練習だ。
決して対立を避けたり、事の重要性を軽視したりすることではない。24時間ルールは内省と感情調整のための時間を作ることだ。一旦思いとどまることで、冷静かつ思慮深い心構えで状況に臨めるようになる。
24時間ルールは人間関係における「リセットボタン」を押すようなものだと考えてほしい。カップルが互いに深い思いやりと理解をもって対立を乗り越えるのに必要な時間と澄み切った心を持つためのツールだ。
回復力のある調和のとれた関係を築く上で24時間ルールが役立つ5つの理由を紹介しよう。
1. 衝動的な言動を防ぐ
どんな関係にも意見の対立はあるが、その場の勢いで衝動的に反応してしまうと、対立は解決するどころか激化する。高ぶった感情は判断を鈍らせ、うまく意思疎通を図ったり状況を客観的に見たりすることが難しくなる。24時間ルールに従って一歩引くことで、激しい感情を鎮めるチャンスが生まれ、より思慮深く慎重な対応ができる。専門誌インターナショナル・スタディーズ・クォータリーに掲載された研究論文では、対立の解決におけるタイムリーな介入の重要性が強調されている。研究チームは、いさかいが発生した直後に対処することで、対立がエスカレートする可能性は低くなり、いがみあう期間が大幅に短縮されると指摘した。
だから、今度怒りや傷心でどうしようもなくなったら、反応する前に一旦立ち止まるといい。24時間かけて反省したり、自分の考えを書き留めたり、あるいは信頼できる人に打ち明けたりする。反省の時間の後に問題に戻ることで、すっきりした考えと理解をもって問題に向き合える。このシンプルな習慣は誤解のリスクを減らし、より生産的で思いやりのある対立解決につながる。