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AI

2025.02.02 10:00

転換点にあるAIには「ダ・ヴィンチが必要」、多彩なスキルや関心を持つ博学者の重要性

Grey82 / Shutterstock.com

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何世紀にもわたり、複数の学問分野に精通した「博学者」(Polymath、ポリマス)は、幅広い発明や発見を生み出してきた。現在、博学者は今後の人工知能の進路を定める存在となり得るだけでなく、AIが博学者の活動を一気に加速させる可能性さえある。

歴史上最も有名な博学者はレオナルド・ダ・ヴィンチだ。彼は偉大な芸術家であると同時に、エンジニア、デザイナー、科学者でもあった。また、政治学から出版、海流に至るまで幅広い知識を備えたベンジャミン・フランクリンもまた、優れた例だ。そして、エネルギーや通信の分野で多彩な探求を行ったニコラ・テスラも挙げられる。もしダ・ヴィンチ、フランクリン、テスラが今日に生きていれば、科学的・工学的な探究はもちろん、新しい芸術形式を生み出すためにも、AIを大々的に活用していただろう。

AIは、彼らが探究し改善しようとした世界をさらに深く理解するための道具となるはずだ。

TCSのフューチャリストであるフランク・ダイアナは、「博学者は知識が交わる場所に立ち、発明が芽生える現場を得意とします。彼らの知的な柔軟性によって、問題を異なる角度から捉え、型破りな疑問を投げかけ、領域全体を再定義するような解決策を構想できるのです」と最近の投稿で述べている。

AIやその他の技術を押し進めるには、高度な専門性こそが唯一の道だと思われがちだ。データサイエンティストやプロンプトエンジニア、データエンジニアなどがこれに当たる。しかし、優れた性能を持ち倫理的なAIを実現するには、技術分野以外にも、クリエイター、起業家、科学者、金融の専門家、法律の専門家、倫理学者など、多様な人々からの意見と支援も欠かせない。

イノベーション系シンクタンクNostaLabの創設者、ジョン・ノスタは『Psychology Today』誌の最近の記事でこう述べている。「かつて知識は特権的な少数者のものでしたが、AIが情報や専門知識へのアクセスを民主化しました。量子物理学からクラシック音楽の作曲まで、先進的な言語モデルやインテリジェントなチュータリングシステムが幅広い分野で個別のサポートを提供するようになりました。このようなアクセスのしやすさが、人々を従来の学問領域の境界を超える方向へ導き、新たな世代の博学者を生み出すのです」
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翻訳=酒匂寛

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