これからの世界は新たな多芸多才を要求し、博学者が持つ多彩なスキルや関心がますます重要になるだろう。こうした多様性は、ひらめきを持つ個人だけでなく、企業全体からも生まれると指摘するのは、ヴィニー・ミルチャンダーニだ。彼は2010年の著書『The New Polymath: Profiles in Compound-Technology Innovations』(新しい博学者:複合技術イノベーションのプロファイル)で、情報技術のような職業がテクノロジーの構築と管理を超えて拡張していると説いた。ITはビジネスと社会を再編する数多くの重要な変化の中核にあるとし、「今日の企業は多様な分析ツールや技術を利用できます。特に非構造化アナリティクス、予測分析、データ可視化の進歩は目覚ましいものがあります」と述べている。
ノスタによれば、AIは「人々が現代の博学者として複数の分野で活躍できるようになる、新たなルネサンスを引き起こしています」という。そして、大規模言語モデルは「知識のサイロを打ち破り、美術から量子物理学まで多様な領域を探究できるようにします。AIを利用するプラットフォームは学びをパーソナライズし、21世紀のイノベーションに必要な学際的思考を育むのです」と語る。
医療、航空、建設、エンターテインメント、あるいはあらゆる生活領域における進歩を後押しするイノベーションは、複数の領域を越境して見通せる博学者にかかっている。たとえば、視覚障害者に視力をもたらすAIチップや、住宅の3Dプリント、健康指標をトラッキングするアプリなどがその例だ。
同時に、AIが「人類の幸福に寄与する力になるのか、それとも意図せぬ方向へと進むのか」は依然不透明だとダイアナは警鐘を鳴らす。「その答は、AIの変革力を、博学者が体現してきた好奇心や倫理的責任、人類の進歩へのコミットメントとどのように結びつけるかにかかっています」
さらにダイアナは、AIには「発明の力学を根本から変える可能性があります」と述べる。「多様な領域の膨大なデータを統合できる能力によって、AIは人間の博学者的な思考を再現するだけでなく、それを超えることさえ可能かもしれません。そこから、医療やエネルギー、気候問題などの新たなフロンティアが開かれるでしょう」
(forbes.com 原文)


