オーストラリアの航空業界格付けサイト「エアラインレーティングス」は、世界で最も安全な航空会社の最新ランキングを発表した。同サイトは独自の7段階の評価法を用いて安全性を比較し、世界の航空会社385社から上位25社を選んでランキング化している。
ランキングの作成に当たっては、最近の死亡事故から航空当局による監査、安全性に向けた取り組みや保有機材の機齢など、幅広い要素が考慮される。また、実際に事故が起きた場合、航空会社がどのように対応するかという点も評価の重要な基準だ。ただし、航空機が鳥と衝突するバードストライクや乱気流による負傷、天候による緊急着陸など、航空会社が制御できない要素は評価の対象から除外される。
世界で最も安全な航空会社
では、世界で最も安全な航空会社はどこだろうか? エアラインレーティングスが2025年に最も安全な航空会社としたのはニュージーランド航空だった。同社は24年と22年にも1位に選ばれている。筆者の取材に応じたエアラインレーティングスのシャロン・ピーターセン最高経営責任者(CEO)は、ニュージーランド航空の安全記録には重大な事故がなく、傑出していると称賛した。同CEOによると、高い山脈と強い下降気流のために世界屈指の着陸困難な空港とも言われるニュージーランドのクイーンズタウン空港をはじめ、同社は厳しい条件でも安定的な運航を続けている。こうした環境で安全性を確保するために、ニュージーランド航空の操縦士は非常に厳しい模擬訓練を受けているという。強風で知られる首都ウェリントンの空港では、操縦士の卓越した知識と経験が必要とされる。
僅差で2位となったのは、オーストラリアのカンタス航空だった。ニュージーランド航空とカンタス航空の1位争いは、わずか1.5ポイント差という大接戦だった。ピーターセンCEOは、カンタス航空では最近、複数の軽微な事故が報告されており、それが最終的な結果に響いたと指摘した。
カンタス航空は昨年も僅差でニュージーランド航空に首位の座を明け渡した。ピーターセンCEOは、ニュージーランド航空の保有機材の平均機齢は10.4年と比較的新しく、この点でもカンタス航空よりわずかに優位に立ったとした。
3位には、キャセイパシフィック航空、エミレーツ航空、カタール航空の3社が乱立した。保有機材の平均機齢や大きさ、操縦士の技量、安全対策、軽微な事故の数まで、3社の得点は同じだった。