経営・戦略

2025.01.14 14:00

現代自動車、過去最大の年間2兆6400億円を韓国内に投資へ

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韓国の現代自動車(ヒョンデ)グループは1月9日、国内向けの投資を前年比19%増の総額24兆3000億ウォン(約2兆6400億円)に拡大すると発表した。同グループは、消費者心理の低迷や国内外の不確実性の高まりの中で、競争力を強化するために過去最大の投資を行おうとしている。

現代自動車と起亜自動車を含む現代自動車グループは、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)、コネクテッドカーなどの次世代モビリティ技術の研究開発に11兆5000億ウォン(約1兆2378億円)を投入すると発表した。同グループはさらに、EVの生産ラインの拡大や関連インフラの構築に12兆ウォン(約1兆2917億円)と、自動運転などの戦略的投資に約8億ウォン(約8600万円)を投じる計画だ。

現代自動車グループのチョン・ウィソン会長は、この発表に先駆け、地政学的および経済的リスクの高まりを警告していた。米国のトランプ次期大統領は、世界最大の経済大国である米国への輸入品に一律10%の関税を課すと宣言している。

韓国の消費者心理指数は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による非常戒厳の宣布と大統領に対する弾劾訴追案可決によって引き起こされた政治的混乱を受けて、12月にコロナ禍以来の大幅な落ち込みを記録した。現代自動車は、2024年の国内販売が前年比で7.5%減少し、海外販売も0.5%減少したと述べている。

チョン会長は、6日の年頭挨拶の中で、「将来の不確実性に怯えてはいけない。私たちは、チャレンジをしなければ自己満足に陥り、より大きな危機に直面することになる」と語った。

現代自動車は、生産台数で日本のトヨタやドイツのフォルクスワーゲンに次ぐ世界第3位の自動車メーカーだ。同社は昨年3月に、EV開発の強化のために3年間で68兆ウォン(約7兆3200億円)を割り当てると発表し、8万人を新規で採用する計画を明らかにした。

現代自動車グループでは、1日にこれまで米国事業のトップだったホセ・ムニョス最高執行責任者(COO)が、社長兼最高経営責任者(CEO)に昇格した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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