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AI

2025.02.16 13:00

AI進化のために、技術者からクリエイターまであらゆる人がその設計に関わるべき理由

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現状では、多くの場合「責任あるAI」や「安全チーム」といったエンジニア集団が、製品のリリース前に最終チェックを行う体制が取られている。しかし、「早くリリースしたいという強いインセンティブがあり、そうしたチームには製品のリリースを止められるだけの社内的影響力がありません」という。

そのため、代わりにデザインと開発の初期段階から多様な専門家を含める必要がある。ランディは、「社会科学者、人文学者、倫理学者など、異なる分野の専門家で構成されたチームが必要です。そうすれば問題をより早期に発見できますし、チームメンバーとして彼らが組織内で影響力を持ち、変化を起こせるようになります」という。

だがAIへのオープンで学際的なアプローチには、ある課題がある。それは、比喩的にいえば「狭いキッチンに大勢のシェフが集まってしまう」ような状況だ。

「専門分野が異なる人々は、それぞれ独自の専門用語や考え方を持っています。そのため、同じ言葉を使っていても、その意味する内容が人によってまったく異なることがあるのです」とランデイは警告する。「具体例を挙げると、私は現在、英文学の教授や医学部の研究者とあるプロジェクトを進めているのですが、彼らが使う『パイロットの研究』という言葉と、私が考える『パイロットの研究』の内容は、実は大きく異なっているのです」

しかし、こうした混乱が必ずしも悪いわけではない。「むしろ、新しいアイデアや物の見方が生まれるきっかけになるかもしれません。大規模言語モデルや自然言語処理を研究している人が、政治学を背景にもつ倫理学者と出会い、リリースするソフトウェアにどんな安全策が必要かを問い直されることがあるのです」とランディは述べている。

AIはビジネス、職場そして社会全体を大きく変えつつある。今こそ、この開発と運用のプロセスを協力的なものにする必要があるのだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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