時価総額で最大なのはエヌビディアだが、大規模言語モデルを提供する企業も一般に広く知られるようになった。OpenAIがトップに立つ一方、Anthropic(アンソロピック)も多くの点でそれに次ぐ存在だ。
最近、ナサニエル・ウィットモアがホストを務める「AI Daily Brief」というポッドキャストで聞いた話によると、アンソロピックは新たに20億ドル(約3150億円)の資金を調達し、企業評価額が600億ドル(約9兆4600億円)に達したという。
これにより、アンソロピックを率いるアモデイ兄妹(ダリオとダニエラ)を含む幹部7人が億万長者になったとされる。いったいどこがこれほどの資金を投じているのだろうか。
アマゾンなどが出資
報じられるところによれば、最大の出資者はアマゾンであり、同社はアンソロピックのClaude(クロード)を自社ウェブサービスに統合している。アマゾンが公開しているClaude 3 Haiku(クロード3ハイク)モデルの案内には、次のような説明がある。「アンソロピックのClaude 3 Haikuモデルをファインチューニングする力をAmazon Bedrockで解き放ちましょう。この包括的なデモでは、Amazon Bedrockへのアクセス方法から、ビジネスニーズに合わせたClaude 3 Haikuのカスタマイズ手順までを案内します。企業やドメインに関する知識を組み込むことで、モデルの精度・品質・一貫性を向上させる方法を学び、高品質な結果の生成や独自のユーザー体験の構築、さらにはドメイン特化のタスク効率向上を目指しましょう。今日からファインチューニングを始めて、Claude 3 Haikuの可能性を最大限に引き出しましょう」このように、共同ブランド化の取り組みは明らかだ。
グーグルなどの企業も出資しており、新たな報道によるとLightspeed Ventureも加わったという。既存のパートナーシップを踏まえれば、アマゾンがこのようなかたちでアンソロピックに資金を提供するのは自然な流れだといえる。
しかし、この契約をめぐってはさまざまな憶測も飛び交っている。