資金消耗と持続性の問題
MarketWatchに掲載された最近のオピニオン記事によれば、OpenAIとアンソロピックはいずれも計算リソースやウェブサービスに多額の費用を投入しており、コスト負担が急激に増加しているとみられている。MarketWatchのテレーズ・ポレッティは、OpenAIが2024年に50億ドル(約7880億円)の赤字を計上する可能性を指摘し、ChatGPTのサブスクリプション利用者による膨大な計算処理が収益を圧迫していると論じている。アンソロピックもAWS(Amazon Web Services)の使用量を拡大しており、同様のコスト上昇に直面しているという。
推論コストの急速な低下
OpenAIとアンソロピックが巨額のコストをかけている一方で、新たなタイプのネットワークが登場することで、ChatGPTのセッションを含むAI利用コストが急速に下がるだろうと予測する声もある。ムーアの法則のように、ハードウェアの小型化や効率化が進むと計算コストが劇的に下がるという見方がある。さらに、複数のAIが協調して動作する「AIマルチエージェント」を活用すれば、トークン使用のコスト削減だけでなく各エージェントの得意なスキルを活かして性能面でも大きな向上が期待できるという。
経営学者のイーサン・モリックが示唆しているように、ロボットやAIができることはこの数年で飛躍的に広がると予想されている。以下は筆者の考える例だが、たとえばおむつの交換から病人の看護、食事の準備、グリーティングカードのデザインまで、あらゆるタスクを担えるようになるかもしれない。2025年には技術がさらに高速化・低コスト化し、格段に進化している可能性が高い。
今回のアンソロピックに関するニュースは、急成長するAI産業が今後数カ月から数年のうちにさらに重要性を増していくことを示すマイルストーンといえる。
(forbes.com 原文)