SponsorUnitedによると、スポンサーシップ契約は5リーグ合計で1万4000件近くにのぼり、2024年のスポンサー収入は前年比12%増の76億6000万ドル(約1兆2100億円)と過去最高となった。昨年は200近い企業が新規スポンサー契約にそれぞれ100万ドル(約1億6000万円)以上を費やしており、5大プロリーグと5大カレッジリーグ全体では、スポンサー収入の約15%が新規契約によるものだった。NFLの平均契約額は推定76万ドル(約1億2000万円)で、5大プロリーグすべてが30万ドル(約4700万円)を超えている。
スポンサー収入の急増は部分的にはメジャーなプロスポーツに関与したいという需要の表れでもある。だが、チームやリーグが企業に提供するものも一層ひねりのあるものになりつつある。スタジアムやアリーナでは特別観覧席は従来のようには重視されず、より幅広いプレミアムな座席体験ができるスペースとして一部を活用し、それぞれにスポンサーの名前を冠することができるようになっている。一方、SponsorUnitedによると、メジャーのプロチームは平均して10社のアルコール販売企業をスポンサーに抱えるなど、かつてのような1社独占という融通のきかないものではなくなっている。また、デジタル広告の登場で広告枠の提供方法が変わり、これまで以上にカスタマイズできるようになっている。
カーネギーメロン大学テッパー・スクール・オブ・ビジネスのティム・ダーデンジャー准教授は「スポーツマーケティングに数百万ドル、数億ドルを費やしたいと考えている企業にとって重要なのは、関心を持ち、魅了されたオーディエンスにより効率的にリーチすることだ」と話す。「テクノロジーを使って顧客にリーチし、そのメッセージをパーソナライズすることは、各リーグがスポンサーシップを増やすのに重要な役割を果たす」とみる。