江戸時代のマルチタレント平賀源内が、夏に売り上げが落ちる鰻屋から相談を受けて「本日土用丑の日、鰻食すべし」との宣伝文句を考案したという話は有名だ。以来二百数十年年にわたり日本では夏の土用の丑の日にうなぎを食べる習慣が定着した。それにあやかって、冬の土用の未(ひつじ)の日も流行らせようと、熊本のJAが動き出した。
JA熊本経済連は、2月末の「冬土用未の日」を新たな商戦期とするべく、全国の量販店や食品メーカーなどと取り組みを開始した。参加するのは、各地のJAグループのほか、森永乳業、キユーピー、セブンイレブン・ジャパン、マルエツ、ユニー、イオン、イトーヨーカドーなど。
土用は、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を指し、1年に4回ある。季節の変わり目で体調を崩しやすい時期でもあることから、春土用の戌の日には名前に「い」の付くものや白いもの、夏土用の丑の日には「う」の付くものや黒いもの、秋土用の辰の日には「た」の付くものや青いもの、そして冬土用の未の日には「ひ」の付くものや赤いものを食べると精が付くとされている。
そこでJA熊本経済連は、冬土用の未の日に赤いものを食べようと、トマトやイチゴなどの赤い農産物を売り込む計画だ。また現在、「僕/私と赤」をテーマとしたInstagramのフォトコンテストも実施している。熊本県青果物消費拡大協議会の公式Instagramをフォローして投稿すると、審査の末、受賞者にはJA熊本経済連Yahoo!ショップで使えるクーポン券などの賞品が贈られる。
はたして、冬土用の未の日がビッグビジネスにつながるのか。とくにこれと言って楽しみのない2月に、楽しい行事が生まれることを期待したい。
プレスリリース