5. 個々の選択を尊重する
自己理解を深めたうえで、どう行動に移すかは個々の自由であり、4th Placeでは「変わる」ことを強制しません。他者の存在を見守り、挑戦することを応援しながらも、一人ひとりの選択とペースを深く尊重するカルチャーがあります。6. カリスマ不在の環境
答えは自分自身のなかにある、というのが4th Placeの考え方です。よって、コミュニティにはカリスマ的な指導者は存在せず、誰かに追従するのではなく、自分の中に答えを見出そうとすることを推奨します。7. 持続的なつながり
一回限りのイベントやオンラインサロンでも深い対話は可能ですが、その後は各自が自分の生活に戻り、再び出会う可能性は低くなります。4th Placeは、参加者同士が一定期間(6週間以上が望ましい)定期的に繰り返し会うことで深い絆を築けるコミュニティ。これにより、古代哲学者アリストテレスが最も高尚と称えた「徳を基盤とする友情」が生まれます。米国の新鋭コミュニティの場合
4th Placeはサードプレイスのような「居心地の良い場所」ではなく、むしろ、不確実性や多様な視点を受け入れ、深く考え、成長するための挑戦的な場です。いち早く広まりつつある米国を中心に、4th Placeの事例をいくつか紹介します。サンフランシスコにあるCommons SFは、都市生活における新しい「意味づけ」の場として注目されている団体です。メンバーシップ費は毎月200ドル、年に4回メンバーを受け入れ、毎回定員で埋まっているといいます。主催者の一人であるPatricia Mou氏は、この場を次のように説明します。
「Commons SFは、多様性を尊重する人々が集まり、究極的な問いを共有しながら自分の道を探るための空間です。参加者同士が対話を通じて学び合い、日々の生活や仕事に新たな視点を持ち帰ることを目指しています」
ここでは、定期的に開催されるサロンやワークショップを通じて、参加者が深い対話や共同学習を体験します。例えば、最近のイベントでは、「現代社会におけるアイデンティティ」をテーマに、多様なバックグラウンドを持つ参加者が集い、それぞれの視点を共有しました。このような活動を通じて、Commons SFは米国の他の都市でも「4th Placeモデル」としての波及効果を生み出しています。