欧州

2024.11.20 09:30

東部防衛に必死のウクライナ軍、戦車が危険冒し最前線に展開

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ロシアがウクライナに対して起こした全面戦争の1300km近くにおよぶ戦線の全域で、爆弾を搭載した小型ドローン(無人機)の使用が急速に広がった結果、ジャーナリスト・研究者のデービッド・キリチェンコの言う「慎重な戦車の時代」が到来した。

だが、ウクライナ東部ドネツク州の最前線の都市であるクラホベ方面では、ウクライナ軍の戦車は慎重とは真逆だ。ウクライナ軍の少なくとも2個旅団の戦車はロシア軍の執拗な攻撃に立ち向かい、敵の強襲グループと至近距離で戦闘を行ったり、必ずあるドローン攻撃をかわすために煙幕を張って移動したりしている。

18日かその少し前、ウクライナ空挺強襲軍第46独立空中機動旅団の所属と推測される戦車2両は、クラホベ近郊の廃墟と化した地区でロシア軍部隊と交戦した。戦車は発砲しては移動、発砲しては移動し、発煙弾の煙幕で遮って、ロシア軍のドローン少なくとも1機をかわして走り去っている。
こうした「射撃・移動・煙幕」戦術は有効だ。OSINT(オープンソース・インテリジェンス)アナリストのアンドルー・パーペチュアは「わたしの見る限り、ウクライナ軍には煙幕をとても効果的に用いている大隊がいくつかあり、これらの大隊は(ほかの大隊と比べて)車両の損失が顕著に少ない」と述べている

ドイツなど西側諸国から供与されたレオパルト1A5やレオパルト2A4、旧ソ連から引き継いだT-64やT-80といった戦車を装備するウクライナ軍の戦車大隊は、数週間前からクラホベ方面で戦闘を続けているもようだ。

ウクライナ軍は10月末、ボウチャ川の貯水ダムの南側にあるクラホベの最も防御しやすいエリアへと西に後退した際、損傷したレオパルト1A5を1両遺棄している。ウクライナ軍の砲兵部隊は最近、ロシア軍の前進を妨害するためダム付近の橋を爆破している。
ロシア軍の攻撃は止まっていない。ロシア側はボウチャ川の浅瀬を渡るか、架橋するか、あるいは数km南のダリニェ村を突破して川を迂回するといった手がある。ウクライナ軍の戦車はあらゆる経路で侵入してくるロシア軍部隊を迎え撃っている。

12日には、ウクライナ陸軍第33独立機械化旅団のレオパルト2A4戦車などがロシア軍の強襲グループを撃破した。そして現在、第46空中機動旅団のT-80かT-64とみられる戦車が、クラホベ郊外のどこかでロシア軍部隊を翻弄しているようだ。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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