欧州

2024.11.20 09:30

東部防衛に必死のウクライナ軍、戦車が危険冒し最前線に展開

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状況はきわめて切迫している。第102、第103両自動車化狙撃連隊をはじめとするこの方面のロシア軍は、クラホベを突破して右に進路を変え、北へ30kmほどの要塞都市ポクロウシク包囲網を築くことを狙っている。ポクロウシクが陥落すれば、ドネツク州のウクライナ軍の前線全体が崩壊するおそれがある。
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ロシア側は、来年1月20日にドナルド・トランプ次期米大統領が就任し、この戦争をめぐる政治情勢が混沌としてくる前に、ポクロウシクに到達することを目指しているとみられる。ウクライナ側は多くの危険を冒してでもそれを阻む構えだ。

つい数週間前まで、双方とも戦車で敵部隊を直接攻撃する危険を冒すのはまれだった。冒頭に引用した言葉をタイトルにした記事でキリチェンコは「ウクライナ軍陣地の上空は、それ自体が常時戦場になっている。敵味方のドローンが飛び交い、重装甲車や大砲といった高価値の目標を探し回っている」と書いている。

そのうえで「このように上空からつけ回されるために、戦車の戦術は根本的に変わった」とキリチェンコは説明している。生き延びるために、戦車は間接照準射撃による支援任務にシフトし、主砲の角度を上げて数km先の目標を砲撃するようになった。こうした戦い方をすれば、戦車はより安全な半面、敵に対する破壊力は下がる。
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ウクライナ軍の戦車が再び接近戦に臨むようになったことは、状況がどれほど切迫しているかを物語っている。同時に、とりわけ煙幕の活用に関して、ウクライナ軍の戦車戦術が向上していることも見てとれるかもしれない。

パーペチュアは、隠蔽のために煙幕を使うのには「多くの調整が必要になる」と指摘している。「風速や風向き、時間帯、湿度、地形、砲兵の技量など、いろいろと考慮すべき点がある。これは調整するのが最も難しいことのひとつかもしれない」

それでも、ウクライナ軍はやってみるしかない。ポクロウシクの守備隊は、近く終わる気配に乏しいロシア軍の攻勢をクラホベの守備隊が食い止めること、少なくとも遅らせてくれることに期待をかけている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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