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2024.11.23 09:45

就農希望者を逃がさない農業大学校のVR作戦

バーチャル農業体験より。

バーチャル農業体験より。

愛知県は就農希望者の相談にデジタルで対応するプロジェクトを進めているが、とくに未経験者は農業の実態を知って「思ってたのと違う」と諦めるケースが多い。そこで、最新テクノロジーを活用した秘策に出た。

基幹農業従事者が2015年からの5年間で1万5000人以上減少し、高齢化も進んでいる愛知県では、新たな農業の担い手の育成に力を入れている。愛知県立農業大学校では愛知県就農支援ポータルサイトを開設し就農相談に応じてきたが、農業経営の現状を知らない未経験者は、就農に至ることが少ない。

その現状を受けて同校は、AIやVRソリューションの開発などを行うエスユーエスと共同で、バーチャル農業体験コンテンツを開発し公開した。メタバース内の農園で農作業が疑似体験できるというものだ。NTTコノキューが提供する仮想空間プラットフォーム「DOOR」に開設したルームにイチゴ栽培のハウスが置かれ、定植、摘花、収穫、出荷・調整の4つの作業を体験できる。

苗を植えたり、不要な花を摘みとるなどイチゴ栽培の作業を体験しつつ、クイズに答えて先に進むというゲーム形式で、たとえば1000平方メートルに植えられる苗の数、収穫すべきイチゴの見極め方、1000平方メートルで収穫したイチゴのパック詰めは1人でやると何時間かかるかなど、具体的な農作業の基礎が学べる。

これは、行政課題を民間のIT技術で解決するプロジェクト「AICHI X TECH」(アイチクロステック)の一環。このバーチャル農業を体験することで、就農希望者の相談が具体化することが期待される。さらに「自身の適応性や実現可能性を把握できるようになることで、意欲ある多くの担い手を確保・育成できる未来を描いています」とエスユーエスは話している。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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