建築×アートのユニークな宿
岡山市にあるホテル「A&A」に泊まれば、現代アートと建築が織りなすユニークな宿泊体験ができる。石川文化振興財団が立ち上げたこのプロジェクトは、岡山の芸術文化の振興と地域の活性化を同時に図る試みだ。一棟貸しの各ホテルは、世界的に有名なアーティストと日本の一流建築家のコラボレーションでつくられ、ゲストに忘れがたい、没入感のあるアート体験を提供する。現在、2つのホテルが利用可能だ。「A&A ジョナサンハセガワ」は、個性的な3つの空間が融合した興味深いつくりになっている。「A&A リアムフジ」は、瀬戸内の一県、愛媛県出身の気候学者で、ノーベル物理学賞を受賞した真鍋“スーキー”淑郎博士をオマージュした意匠が散りばめられている。アートの島々を巡る
瀬戸内海のアートの島々である直島、豊島、犬島を4日間かけて回れば、現代アートと日本の伝統文化の両方を堪能できる。これらの小さな島々では、すばらしい自然に囲まれて点在する魅力的な建築や、屋内外の独創的なアート作品を見て回ることができる。福武財団の名誉理事長、福武總一郎のリードで、「ベネッセアートサイト直島」としてアート活動が展開されている3島のなかでも、最も有名なのが直島だ。この島では、巨匠・安藤忠雄の建築、モネやウォーホルの有名な作品、伝統家屋を改装して没入型のアート空間にした「家プロジェクト」などを巡ることができる。宿は、日本の建築美と現代的なデザインを融合させた高級旅館「直島旅館 ろ霞」にとろう。室内は、千年以上の歴史をもつ手漉きの土佐和紙の障子など、自然の素材を生かした優しい空間で、大きく開けた窓から、島の移ろいゆく静謐な景色を眺められる。全室に露天風呂がついていて、散策の疲れをゆったり癒やせる。(forbes.com 原文)