宇宙

2024.10.26 10:00

統計研究は「地球外知的生命体は宇宙で希少な存在」だと示唆する

今回の研究では、SETIが干し草の山から針を探し出そうとしていることがわかったが、ではその針はどのくらい希少な存在なのだろうかとルイスは問いかける。ルイスによると、もし銀河系に地球以外の高度な文明が1つしか存在しないとすると、SETIが数千億個の星の中からその1つを特定する可能性は、実質的にゼロだ。

米カリフォルニア州にあるアレン電波干渉計。地球外知的文明探査(SETI)に利用されている(Seth Shostak/SETI Institute)

米カリフォルニア州にあるアレン電波干渉計。地球外知的文明探査(SETI)に利用されている(Seth Shostak/SETI Institute)

もし複数の高度文明がすでに発生しているなら、ダイソン球のようなハイテク構造物からの赤外線スペクトルで見えるはずだとルイスは述べている。この種の信号の探索が行われているが、これまでのところ、SETIによるテクノシグネチャー(技術文明の存在指標)探しでは、まだ具体的なことは何も明らかになっていないという。

それでも、地球外生命体は希少だが、希少すぎるわけではないという希望に満ちた前提の下に、SETIの探索活動は続けられており、これこそが不自然な微調整の問題だと、ルイスは指摘している。

1兆個の銀河

ルイスによると、観測可能な宇宙には約1兆個の銀河があり、このことがSETIの探索をさらに難しいものにしている。だが、これまでの不気味な沈黙は、高度な文明が極めて希少な存在であることを示唆しているという。

さらに研究チームは、超高度な地球外文明が銀河系の大部分を植民地化しているという別のシナリオも検討している。

おそらくこの種の植民地化が行われたのは銀河系の歴史のはるか昔で、その痕跡はすでにすべて崩壊してしまっているだろうと、ルイスは述べている。あるいは、植民地化は現在も続いているが、地球からすぐには気づかないところで行われているのだと、ルイスは続けた。

結論

人類が銀河系内で実質的に孤独であることが分かれば、人類は震え上がり、地球上の生命をさらに一層大切にするようになるはずだと、ルイスは述べている。



forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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