宇宙

2024.10.02 18:00

今年最大のスーパームーンが昇り、オリオン座流星群が極大を迎える10月の夜空

南米チリのセロ・パチョン山頂に建設中のベラルービン天文台の背後に昇る満月。望遠レンズで撮影(Rubin Observatory/NOIRLab/NSF/AURA/H. Stockebrand)

10月は本格的な星空観察が楽しめる季節。先月末から夜明け前の東の空に見えていた「紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)」は、今月中旬にこんどは日没後の西の空に姿を現し、肉眼で観察できる可能性がある。もちろん、双眼鏡はあるに越したことはない。

10月の天文ショーは、南半球のごく一部でしか見ることができない金環日食で幕を開け、今年最大の「スーパームーン」が昇り、ハレー彗星の置き土産であるオリオン座流星群がフィナーレを飾る。

2024年10月の夜空の見どころを紹介しよう。

紫金山・アトラス彗星の再来

アリゾナ州トゥーソン郊外にある米国立科学財団(NSF)キットピーク国立天文台で撮影された、夜明けの空に尾を引く紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)。手前に見えるのはマクマスピアス太陽望遠鏡(KPNO/NOIRLab/NSF/AURA/R. Sparks via Wikimedia)

アリゾナ州トゥーソン郊外にある米国立科学財団(NSF)キットピーク国立天文台で2024年9月28日に撮影された、夜明けの空に尾を引く紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)。手前に見えるのはマクマスピアス太陽望遠鏡(KPNO/NOIRLab/NSF/AURA/R. Sparks via Wikimedia

時期:10月12日(土)~16日(水)の日没後
場所:西の空

日の出前の東の空に1本の尾を引く彗星の見ごろは2日あたりまでとなるが、10月中旬まで彗星の核が持ちこたえれば、再びセンセーションを巻き起こすかもしれない。特に北半球では肉眼で見えるようになるとも予想されており、尾が2本に分かれた様子が目撃できる可能性がある。日没後に西の空を見てみよう。

金環日食

時期:10月2日(水)(日本時間10月3日)
場所:チリとアルゼンチンのみ

熱烈な「日食ファン」のみなさんにぴったりのイベントがこちら。満月がスーパームーンとなる今月、新月は逆に地球との距離が遠く離れ、見かけの大きさが小さくなる。これと日食が重なることで、南太平洋の一部と南米大陸南端のパタゴニア地方では金環日食が見られる。

今回、太陽の影の通り道には、神秘的なモアイ石像で有名なイースター島(ラパ・ヌイ)が含まれる。驚くべきことに、この絶海の孤島では14年前にも皆既日食が観測されている。

金環日食では、太陽の93%が月に隠され、縁の部分が「火の輪」を形づくる。南米の大半の地域では部分日食が観測できる。なお、世界のほとんどの人にとっては、ただの新月となる。

2012年5月に東京で撮影された金環日食(Shutterstock.com)

2012年5月に東京で撮影された金環日食(Shutterstock.com)

2024年最大のスーパームーン

時期:10月17日(木)、18日(金)
場所:東の空

2024年には、満月が地球に接近し大きく見える「スーパームーン」が4回あるが、今回が地球に最も近い距離で満月を迎える「今年最大のスーパームーン」だ。

「ハンターズムーン(狩りの月)」の異名を持つこの月は、今年12回ある満月の10回目にあたる。また満月となる17日だけでなく、翌18日も夕暮れ時に東の地平線から昇る姿がきれいに見えるだろう。すばらしい眺望を楽しむために、この2日間は東の空が開けた場所に足を運ぼう。

ハレー彗星から生まれた「流れ星」

時期:10月21日(月)前後の未明
場所:全天

オリオン座流星群は、10月21日ごろに極大を迎える。1時間に約10~20個、多いときには40個ほどの流れ星が見えるかもしれない。これらの流星はすべて、ハレー彗星が太陽系を通過した際に軌道上にばらまいた塵や破片だ。夜空を30分ほど眺めて暗さに目が慣れてくると、見つけやすくなる。
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forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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