医療従事者の指示に従い薬を正しく服用することを、薬剤師は「服薬コンプライアンス」と呼ぶ。小さな子どもは服薬コンプライアンスを理解できないため、なかなか薬を飲んでくれない。そこを理解できれば、薬を飲むようになるのではないか。そこで、薬剤師のための情報サイト「ヤクテラス」を運営するヤナリは、神奈川県のまいにち薬局古淵店を利用する3歳から6歳の子どもをもつ保護者に協力してもらい、服薬コンプライアンス向上を目的に薬剤師が制作した絵本を読み聞かせることで、どれほど効果が上がるかを検証した。
使用したのは、ヤクテラスが制作しリーブル出版から販売されている『ベンゼンじまのポポロン』という絵本。病気のお母さんのために薬を買いに行くポポロンが、薬と薬剤師の仕事について学ぶという内容。調査では、読み聞かせ前には、子どもに薬を飲ませる際に困ったことがある保護者の割合が約78パーセントだったのに対して、読み聞かせ後はそれが約35パーセントにまで減った。「絵本が小児の服薬コンプライアンス向上に寄与する可能性が示唆された」ということだ。
医療業界には服薬コンプライアンスのほかに、患者が自身の状態と医師の指導を正しく理解し積極的に薬による治療に取り組む姿勢として「服薬アドヒアランス」という考え方もある。こうした絵本を繰り返し読み聞かせることが、服薬アドヒアランスの意識の向上にもつながるということだ。
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