サイエンス

2024.08.24 17:00

親になるのをためらう3つの理由と、それについての心理学的考察

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現代社会に生きる多くのカップルにとって、「親になる」という決断には不安感がつきまとうものだ。子どもを育てる喜びを求めたい気持ちもあるが、同時に、子育てに伴う難題に押しつぶされそうに感じるかもしれない。

言うまでもないが、子どもを持つかどうかは極めて個人的な選択であり、迷うのは普通の反応だ。このような人生における重大な変化について考える際に、疑念が生じるのは至極当然だ。なんといっても、子どもひとりをこの世に迎え入れるとなれば、これ以上ないほど大きな責任を背負うことになるのだから。

この記事では、親になることが自分たちにとって正しい道なのかについて、多くのカップルが疑問を抱く3つの理由について見ていこう。

1. インポスター症候群

子育てという責任を負う準備が自分に本当にできているのか疑いを抱き、親になることを思いとどまらせる強力な原因の1つになり得るのが、インポスター症候群だ。これは、つまり自信の喪失である。自分には他の人が思うほど能力がない、準備ができていない、と考えてしまう状態を意味する。こうした感情が、子どもをつくるという決断に大きく影響する可能性がある。

インポスター症候群はたとえば、金銭的な不安や、子どもにしっかりした環境を与えられるかという心配を増幅させる。学術誌Journal of Family and Economic Issuesに2023年に発表された研究結果では、経済的な不安が心理的苦痛の高まりと関連していることがわかった。これは積極性を麻痺させ、子どもを持つ時期を先送りさせかねない。
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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