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サイエンス

2024.09.22 13:00

4回の大量絶滅を生き延びた、「不滅」の陸生動物

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地球に生命が登場したのは、地球が形成されたすぐあと、およそ40億年前のことだ。たいていのものがそうであるように、生物も、これ以上ないほど単純なかたちで始まった。はじめのうちは、細菌や古細菌のような単細胞生物として存在し、細胞核や細胞小器官はなかった。

もっと複雑な真核生物が登場するまでには、さらに20億年を要した。ほとんどの証拠では、真核生物は海で生まれたことが示唆されている。

5億年ほど前の地球では、科学者が「カンブリア爆発」と呼ぶ出来事が起きた。これにより、生物の形態が急速かつ劇的に多様化し、現在の地球に存在する主要な動物の門のほとんどが出現した。例えば、節足動物、軟体動物、脊索動物は、いずれもこの時期に登場した。

とはいえ、この時に地球上で起きた生物の急激な発展は、海に限られていた。そのため、科学者が現生する最古の動物の系統について話をするときには、オウムガイ、シーラカンス、カブトガニといった海生動物が挙げられる。

生物はなぜ、どのようにして海から陸へ移行したのか。そのあたりのことは、いまもまだ大部分が謎に包まれている。わかっているのは、陸上に生物が進出したのは、シルル紀後期からデボン紀前期にかけて、およそ4億年前ごろだったことだ。

また、化石の記録から、最初期に上陸した動物もわかっている。例えば、2004年にカナダ北極圏で化石が見つかった有名なティクターリクは、3億7500万年前ごろに生息していた動物で、魚類から最初の陸生脊椎動物への移行過程にあたる重要な形態を示している。魚のような胴体に、がっしりした四肢のような胸びれ、動かせる首などの特徴、えらと肺の両方を備えており、海と陸のどちらの環境にも適応していたことがうかがえる。

だが、ティクターリクは長くは存続しなかった。科学者たちの推測によれば、デボン紀末(3億6000万年前)までには絶滅したか、別の生物形態に進化していたという。

しかし、初期の陸生動物の他の系統は、存続する術を見つけだし、デボン紀を生き抜いただけでなく、現在まではるばる生き延びてきた(この間、デボン紀後期の大量絶滅を含めて、4回の大量絶滅が生じたとされている)。以下では、最初期の祖先の形態からそれほど変わらずに4億年を生き延びてきた陸生動物を2つ紹介しよう。

1. サソリ

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地球上にサソリがいたことを示す最古の証拠は、およそ4億3000万年前のシルル紀のものだ。この時期の堆積岩で、初期のサソリの化石が見つかっている。例えばスコットランドの化石産地では、知られているかぎりでは最古のサソリ、Dolichophonus loudonensis(ドリコフォヌス・ロウドネンシス)が出土している。

そうした初期のサソリが陸生か水生かについてはまだ議論が交わされているが、最近の研究では、このタイプの節足動物が、最初期に陸に上がった動物の一つだったことが示唆されている。

サソリが「生きた化石」とされるのは、長い進化の歴史をもち、基本的なボディプランの性質が数億年前からあまり変わっていないからだ。例えば、現生のサソリは節にわかれた体、はさみ、毒針のある特有の尾など、大昔の祖先と同じ特徴の多くを保っている。
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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