それによると、国内の環境問題で危機的だと思うこととして、1位はダントツで「気候変動」の45.5%。調査開始以降5年連続トップで、多くの人が身にしみて感じていることのようだ。2位は「人口」で13.3%、3位は「社会、経済と環境、政策、施策」の11.4%と続いている。
それぞれの意見としては、「地球温暖化と言われていた気候変動が地球沸騰化まで呼ばれるようになり、これからの地球の未来が不安」(気候変動)、「年金を支払う年齢になり、数少ない若い世代で多くの高齢者を支えていることを実感した」(人口)、「物価高で価格高騰のわりに給料はあまり上がらず、社会が上手く循環していない気がする」(社会)となっている。
では、地球沸騰化の時代に対して、何かしらの行動を起こしているのかの問いに、起こしている人は74.5%。取り組んでいる行動としては「エコな交通手段を利用」が36.2%でトップ、「地元産や生季節性のある食物を選択」が27.9%、「家電や衣類などをリサイクル」が24.6%で続いている。一方で、「何も行っていない」が25.5%おり、環境問題で危機意識はあっても、人任せで自分では流されるままという人も多いことがわかる。
また、SDGsの目標で2030年に達成度が高いと思うものについて、全体では1位は「飢餓をゼロに」、2位「安全な水とトイレを世界中に」、3位が「貧困をなくそう」だった。Z世代は「質の高い教育をみんなに」が1位となっていて、大人世代(6位)とかなり差がある。
逆に達成度が低いと思うものとしては、全体では1位「貧困をなくそう」、2位「ジェンダー平等を実現しよう」、3位「働きがいも経済成長も」となり、達成度が高い3位に入っている貧困をなくそうが1位となっている。
環境問題にしても、SDGsの17の目標にしても、なかなか難しい課題だが、環境問題は暑すぎて食物が育たなくなり、飢餓の問題などにつながるため、負の連鎖に陥る可能性もある。こうした課題を解決するためには、一人ひとりが意識改革をしていく必要がありそうだ。
出典:公益財団法人旭硝子財団「第5回 生活者の環境危機意識調査」