テキサス州の連邦裁判所に提出されたこの訴訟は、広告主の連合のGARM(責任あるメディアのための世界同盟)とそこに所属する企業のユニリーバやCVS、マース、オーステッドなどを相手取るものだ。
Xは、GARMが主要広告主らと共謀し、2022年10月のマスクによる同社の買収以降に「数十億ドルの広告出稿を集団でボイコットした」と主張している。
この訴訟はまた、共和党主導の下院司法委員会の7月の報告書を引用し、GARMが「保守系メディアとパーソナリティを排除するための取り組み」の一貫として、広告主をボイコットに向かわせるための「影の企業連合」を主導した主張している。フォーブスはGARMにコメントを求めている。
XのCEOのリンダ・ヤッカリーノは、これらの企業が「組織的で違法なボイコット」を組織したことに衝撃を受けたと述べて非難した。さらに、このボイコットが、「当社の将来の繁栄を脅かし、プラットフォームを長期的に危険にさらす」と主張した。
世界一の富豪であるマスクは2022年10月に当時のツイッターを440億ドル(約6兆5000億円)で買収し、プラットフォームを「制約の少ないグローバルな言論の場」にすると誓った。その後の数カ月でマスクは会社の名称をXに変更し、物議を醸すアカウントを復活させ、数千人の従業員を解雇した。これを受け、コンテンツの監視の緩さを懸念する広告主の大規模な離脱が発生した。
その後、マスクはCEOを辞任し広告機能を拡充することで広告主を安心させようとしたが、広告収入の減少については一部のメディア企業にその責任を押し付けた。昨年9月、彼は有力ユダヤ人団体の名誉毀損防止同盟(ADL)が、企業に対しXに広告を出さないよう圧力をかけたと主張し、同団体を訴えると脅している。
マスクはさらに、2023年11月にアップルやディズニー、IBMなどの大手が広告を引き上げた後に、左派の監視団体のメディアマターズを名誉毀損で訴えた。同団体は、報告書でXが広告を反ユダヤ的もしくは扇動的なコンテンツの隣に表示していると指摘したが、Xはこれが誤りだと主張した。
ヤッカリーノはその後、アップルやオラクルといったプラットフォームを離れた企業を非難し、マスクはこれらの企業が彼を脅迫していると主張していた。
(forbes.com 原文)