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2024.08.07 13:00

米カリフォルニア州で「テスラ離れ」鮮明、Q2売上24%減

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米国最大の電気自動車(EV)市場であるカリフォルニア州は、今年第2四半期の新車販売台数に占めるゼロエミッション車とトラックの割合が過去最高の25.7%に達したと発表した。同州のギャビン・ニューサム知事は、リビアンやフォードなどの企業を称賛しつつ、テスラの売上が24%減少したことに言及した。

「リビアンが達成した素晴らしい成果に拍手と感謝を送ります」とニューサム知事は8月6日のカンファレンスコールで語った。「テスラはもはやこの分野の独占的なメーカーではありません。この業界全体の競争は劇的に変化しています。これはまさに予測されていたことです」と知事は続けた。

カリフォルニア州におけるバッテリーEVやプラグインEV、さらに水素電気自動車を含むゼロエミッション車(ZEV)の第2四半期(6月30日まで)の販売台数は、11万8181台に達し、記録された中で2番目に高い数値となったが、前年同期の12万5939台からは減少した。しかし、高金利の影響で新車の購入が減少したことを受け、ZEVの市場シェアは前年から0.7%増加した。

ニューサム知事がテスラの競合を称賛した発言は、イーロン・マスクのカリフォルニア州に対する敵対的なスタンスを受けてのものだ。テスラは今もカリフォルニアで車両の製造を行っているが、物議を醸す発言で知られるマスクは、数年前にテスラの本社をオースティンに移転し、最近ではスペースXとX(旧ツイッター)の本社もテキサスに移す計画を発表した。

カリフォルニア州におけるテスラ車の販売台数は、世界の平均をはるかに上回るペースで減少している。今年上半期におけるテスラ車の世界販売台数は前年同期比5%減の44万3956台だったが、カリフォルニア州は17%減の10万2106台だった。同州は全販売台数の23%を占めており、中国と並ぶ最大の市場となっている。

この背景には、マスクが反ユダヤ主義や人種差別の容認、反LGBTQなどのスタンスに傾倒したことによるテスラのブランドイメージ悪化が挙げられる。マスクはまた、今年の大統領選でトランプ前大統領の支持を公言しており、このことが民主党が強いカリフォルニア州でさらなる顧客離れを招く可能性がある。

米国におけるEV販売の成長速度は鈍化しているものの、全国的に拡大を続けている。コックス・オートモーティブによると、第2四半期のEV販売台数は11.3%増の33万463台だった。これは四半期の新車販売全体の約8%に相当する。

ニューサム知事は2020年に、2035年以降に販売される全ての新車をゼロエミッション車両にする計画を発表した。「今日、この進展が続いていることを、この州だけでなく、国全体に示すことができます」と彼は述べている。

ニューサム知事はこれとは別に、州内の充電インフラの改善に向けて、インフレ削減法からの連邦資金の6億ドル(約867億円)を割り当てると発表した。「この取り組みにより、よりクリーンで信頼性が高く手頃な充電インフラが提供できます」と知事は語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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