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2024.07.31 08:00

小さなタスクに特化したAIなら「ゆるやか」に職場へ浸透する

Shutterstock.com

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人工知能(AI)は簡単なものではない。構築と実装にはスキルや商用ソフトウェアが必要で、高コストだ。偏見があり、幻覚的な結果を出すこともある。仕事を奪う一方で、新しい仕事も生み出す。とても大きな問題だ。

しかし、AIをもっと扱いやすいかたちで導入する方法もある。「小さなタスク」に特化したエージェントとして導入するというものだ。これはAIが職場に浸透する道を開く、よりゆるやかな方法となる。

いわゆるAIボットは、人々の仕事を奪うのではなく、業務遂行を支援するデジタルの「同僚」として機能する。この現象を表す比較的新しい用語として「エージェントワークフロー(agentic workflow)」がある。

すでにAIエージェントはあちこちに登場している。SiriやAlexa、Googleアシスタントなどのインテリジェントなエージェントはもちろん、AIを活用したエージェントは、予約の自動化、ITサービスデスクの問い合わせ、自動化交渉システム、企業チャットボット、自動運転車など多岐にわたる役割を担っている。

トーマス・ラッターナーの解説AWSのチュートリアルによると、AIエージェントの専門性レベルは、株式トレーダーボットやオフィス生産性向上ツールなどの「即応エージェント」から、顧客の購買パターンを監視し適応する「学習エージェント」、さらにはロボット工学や自律領域でより複雑なプロセスを監督する「階層的エージェント」まで多岐にわたる。

Capgeminiが発表した1100組織を対象とした最近の調査によると、現時点でAIエージェントを実際に運用している組織は約10%に過ぎないが、82%が今後1〜3年以内に導入する意向を示している。

この調査はまた、AIエージェントがAI全般の可能性を反映していることも示している。回答者の71%がAIエージェントによる自動化の促進を期待している。また、過半数が人間のオペレーターを反復的なタスクから解放し、顧客体験などの付加価値の高い機能に集中できるようになると考えている。
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翻訳=酒匂寛

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