江田麻季子 インテル日本法人 代表取締役社長 [CEO’s LIFE]

インテル日本法人 代表取締役社長の江田麻季子氏。(フォーブスジャパン8月号より)



「新しいもの」に目がありません!

日本、アメリカ、アジアを駆け回り、2013年10月、米大手半導体メーカー、インテル日本法人初の女性社長に。
未来を担うきなプレッシャーの中での明るさとバイタリティの秘密は?


―社長就任1年半を迎え、多忙だと思いますが、生活で気をつけていることは?

私、「健康オタク」なんです。それと、新しいものへの好奇心が人一倍強い。最近では、「Basis(ベーシス)」という腕時計型健康生活習慣デバイスを愛用しています。肌に当たる裏側から出ているレーザーが静脈を認識して、心拍数や歩数、消費カロリーなどを教えてくれます。

また、浅い眠り/深い眠りの推移といった、レム/ノンレムの睡眠パターンを1分単位で表示してくれます。これで、今日はもうちょっと食べていいかな、とかジムに行ったほうがいいかな、という判断をしています。4カ月前から使用していますが、単純に今まで分からなかったことが分かるという喜びがあり、すっかり生活の一部になりました。

ジムは、平日休日問わず個人トレーナーの元へ通っていますが、筋肉のつき方などを数値で示されると楽しくなってきて、健康のためというよりも、オタク的な気質で続いているのだと思います。ある意味、毎日のストレスからの解放と言ってもよいかもしれません(笑)。趣味のようなものですが、最後の粘りがきくのも、健康だからこそ。いいアイデアだって、体調がよくて元気溌剌な時に出てきますから。

―日々の習慣で、仕事に生かされていることは?

「好奇心」と「観察」の習慣は大きいです。現職の前は、香港を拠点にアジア・パシフィックのマーケティングを担当していました。

現地では、部下との会話や街を行く人たちの日常生活を観察していて気づかされることが多くありました。インドネシアではITの受け入れ方も非常にオープンでした。みなタイムライン上で個人的な日常会話をしているんです。

なぜだろう、と疑問に思って調べると、インドネシアは、植民地化を避けるために1つの国になってきたけれど、約1万3,500の島があり、4つのタイムゾーンがある多様な国なんです。

そして、外から来る文化や人をナチュラルに受け入れる港町の文化が根付いているのです。実名に抵抗のある日本で、当初、フェイスブックが根付かなかったのと対照的だと思いました。韓国、インド、ベトナム……各国で様々なことを学びました。それぞれに歴史があって、今このようになっているのには事情があるのだ、と。

ローカルの人はよく分かっていても、なかなか説明できない習慣やしきたりもあると思うのです。それについては「どうしてこうなの!」と思ったりはしません。一方、人間の求めるものは究極的には似ているから、現地で学んで、知って「なんだ、一緒じゃない」と思える瞬間は、やはり嬉しいです。

―日本とアメリカで社会学を学ばれたというキャリアも異色ですね。

もともと好奇心が強くて、せっかく大学に行くなら、自分が夢中になれるものじゃないと、と思っていました。社会学は、経済社会学もあれば、メディア論もあるし、政治、家族社会学など、すごく幅が広くて。

手法さえ学べば、いろいろな場面で役立ちそうな予感があり、選びました。マルティプルな視点というのは、今の仕事に生かされていると思います。

辻本 力 = 構成 yOU = 写真

この記事は 「Forbes JAPAN No.13 2015年8月号(2015/06/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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