リーダーシップ

2024.07.22 18:00

「エゴを二の次」にしたバイデンから今、リーダーが学ぶべき教訓

ジョー・バイデン米大統領。2024年2月20日、ホワイトハウスにて(Jonah Elkowitz / Shutterstock.com)

ジョー・バイデン米大統領。2024年2月20日、ホワイトハウスにて(Jonah Elkowitz / Shutterstock.com)

かつて野球界には、選手は脚から衰えるという格言があった。80代まで活躍したコメディアンのジョージ・バーンズは、葉巻を片手に真面目くさった顔で「いや、脚は二番目だ」と言った。それよりも先に「男らしさ」が喪われると主張したのだ。
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リーダーシップに関していえば、多くの偉大な選手がそうであるように、男らしさは「エゴ」(自尊心や自負心)の二の次のものになる。

この数週間、ジョー・バイデン大統領は自らのエゴゆえに、再選をめざす大統領選からの撤退を拒否し、守りの姿勢に入っていた。そして、意固地になればなるほど、肉体的にも精神的にも弱っていくように見えた。

だが、それももう過去の話だ。バイデンは出馬を辞退し、カマラ・ハリス副大統領を後継の大統領候補として支持した。この決断の政治的意義は、これから11月の投票日まで、そしてそれ以降もずっと議論され続けることだろう。

学ぶべき教訓

筆者は政治評論家ではないので、バイデンの撤退表明からリーダーがどんなことを学べるかに注目したい。リーダーが身を引くべきタイミングについてはこれまでにも繰りかえし指摘してきているが、最大かつ最善の決め手となるのは常に、その決断が組織に与える影響である。
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この点で、バイデンは民主党内の多くの人々が望んでいたことを実行した。現在のバイデンは、副大統領時代や2020年に大統領に選出された当時のかくしゃくとした元気な姿とは程遠い。時の流れは誰の身にも等しく流れており、バイデンはそれに気づいたのだ。

エゴは、リーダーが耳にしたいこと、信じたいことを肯定する。権限を必要とし、権力を行使するにあたって、それは不可欠なものだ。しかし、エゴのゆえに先を見通す目が曇り、使命を全うすることが危ぶまれるなら、もはや有害でしかない。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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