電力に関するIEAの中間報告によると、昨年2.5%増だった世界の電力需要は今年、約4%増となる見通しだ。この数字が現実になれば、世界金融危機やコロナ禍の反動で需要が回復した例外的な年を除き、2007年以降で最も大きな増加幅になる。さらに、2025年も4%の増加が予想されている。
気候変動で世界の気温が上昇しているため、エアコンの使用が増え、電力需要増の主な要因となると報告書は指摘している。すでに今年上半期に多くの「猛烈な熱波」が発生し、需要を押し上げて電力系統のひっ迫が起きた。
AIの急速な普及と用途の拡大も、今後数年にわたり電力需要を押し上げると予想されている。ただ、IEAによるとデータセンターがどれだけ電力を食うかについてはまだ不確定要素が大きいという。
電力需要は特にインドで大きく、今年は8%増えると予想されている。また、中国でも6%超の増加が見込まれている。米国では堅調な経済成長やデータセンター部門の拡大、冷房需要の高まりを背景に3%増となりそうだ。
再生可能エネルギーは今年から来年にかけて急増し、世界の電力に占める割合は2023年の30%から2025年には35%になるとIEAは予測している。